広報紙の“甲子園”知られざる熱戦の舞台裏 強豪自治体ではTVカメラマン顔負けの市職員撮影花火写真も
愛知県内には入賞の“常連校”も
地方自治体の優れた広報紙を表彰する「全国広報コンクール」。今年の受賞作品が5月2日に発表され、愛知県からは3つの自治体が入賞しました。広報紙の“甲子園”とも言われるコンクール、各自治体のこだわりを取材しました。 ペーパーレスの時代、紙の社内報を廃止し、デジタル社内報に切り替える会社も増えています。そうした中、自治体が発行する広報紙は、高齢者にも読んでもらいやすいようにと、“紙”で残り続けています。各自治体のこだわりが詰まった広報紙の中身とは──。 日本広報協会が主催する「全国広報コンクール」は、地方自治体などの広報活動の向上を目的に、1964年から実施され、今年ちょうど60年目を迎えました。 今年は、「広報紙」「ウェブサイト」「広報写真」「映像」「広報企画」の5つの部門に、全国から438点の応募があり、審査を経て、5月2日に入賞作品が発表されました。 日本広報協会によりますと、愛知県内の自治体は例年、入賞の“常連校”ならぬ“常連自治体”で、今年は大府市、東浦町、蒲郡市の3つの自治体が入賞しました。
メ~テレカメラマンも絶賛
夜空に鮮やかな光の大輪を咲かせる花火。今にも動き出しそうな躍動感のある踊り手たち。 蒲郡市の「広報がまごおり」に掲載された写真です。蒲郡市の職員が撮影しました。 市内最大の祭りである「蒲郡まつり」の様子を写した2023年9月号の表紙と裏表紙が、「広報写真(組み写真部)」部門で入賞しました。 日本広報協会は審査の講評で「難易度の高い花火の撮影と、人物の切り抜きの配置バランスに動きがあってアクセントになっている。楽しさと美しさ、華やかさが表現されている」としています。 スチール撮影を行うこともあるメ~テレのカメラマンは、表紙の写真(左)について「煙が少なくて風向きの状況も良かったのではないか」と分析。 「シャッターを開けすぎると光の線が長くなり、閉めすぎると線が短くなる。絶妙なタイミングで撮られている。場所取りを含めて、こんなに綺麗に私には撮れない」と絶賛しました。 また、裏表紙(右)を担当した市の職員は「1発目はピントが合わず失敗。2発目でようやくピントを合わせることができた。タイミング、アングル、設定、1つでもずれるとだめだし、撮り終わるまで仕上がりが確認できないため、終始ドキドキだった」と振り返りました。 蒲郡市は「これを機に広報紙や蒲郡まつりの花火大会に興味をもってもらえたらうれしい」としています。