佳子さま30歳に 「どうせ好きな人とは結婚できない」とつぶやいた内親王 悠仁さまを支える道と、皇室を離れる道
大切なのは当事者である皇族方がより良い選択のできる環境を整えることだと、所さんは指摘する。 というのも、秋篠宮さまは昨年11月の会見で、「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と定める皇室典範第12条の改正に関わる質問をメディアから受けた。 それに対して秋篠宮さまは、「該当する皇族は生身の人間」としたうえで、影響を受ける皇族方について「宮内庁は、その人たちがどういう考えを持っているかということを理解して、知っておく必要がある」と述べられている。 所さんは、この第12条について10年ほど前から、いまの皇室典範に沿って女性皇族は婚姻とともに皇室を離れることを原則として残すとともに、「皇室会議の議論を経て、皇族の身分に留まることができる」という文言を加えるべきだと提案してきた。 女性皇族には、皇室を離れるか留まるか、その選択肢を用意しておくべきだという考えだ。 ■「離れても留まっても」受ける批判 一方で、宮内庁職員を長く務めた皇室解説者の山下晋司さんは、皇族方に皇室に残るという選択肢があることで、逆に苦しい立場に立たされる可能性もあるのでは、とみる。 「もし、佳子内親王殿下が結婚したら皇室を離れたいとお考えならば、制度が改正される前に結婚されたほうがいいと思っています」 皇室典範が改正されるならば、「皇室から離れる権利」と「皇室に留まる権利」の両方が保証される形になるだろうと、山下さんも考えている。 しかし、いまの皇嗣家に向けられた批判の強さを考えると、佳子さまが皇室を離れる選択をすれば「皇族が減少しているのに逃げるのか」という声があがり、皇室に留まることを選んでも「特権を享受し続けるのか」と批判されるのではないかと言う。 「ご本人の意思を尊重することは当然ですが、重要な決断の責任を負うという過酷な状況に置かれます」 佳子さま、愛子さまは、ひとりの「成人」として、いつでも結婚できる立場だ。 秋篠宮さまは、皇室の将来の議論にあたって、「皇族は生身の人間であり、そのひとたちがどういう考えを持っているかを知るべきだ」と訴えた。 愛子さまと佳子さまの2人の内親王と、彬子さまら3人の女王は、これからどのような道を選ばれるのだろうか。 (AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子