「コミュニケーションが苦手」は練習次第で必ず克服できる…「苦手」と「できない」の決定的な違い
■「繊細な相手」には本心を伝える 【澤円】気をつけたいのは、相手が繊細で傷つきやすいタイプの場合です。注意をしたりなにかを指摘したりする場面では「ネガティブに受け取られるのでは?」と難しさを感じることもありそうです。 【戸田久実】つい最近の研修で、ひとりのマネージャー層の人からまさにそういった相談を受けました。わたしがその人に伝えたのは、「素直に率直に向き合ってはどうか」ということでした。 「繊細で口数が少ない相手に対して、あなたはどのようにコミュニケーションを取りたいのですか?」とわたしが聞くと、それに対する回答は「無理なことは無理だ、できないことはできないといってほしいし、我慢をしてほしくない」というものでした。 だとしたら、「そうしてくれたほうが自分も楽なんだ」という言葉を添えて、やはりそのまま本心を伝えたほうがいいと思うのです。腫れ物に触るようなコミュニケーションを取ってばかりでは、相手との距離は永遠に縮まりません。 【澤円】確かに、先の思い込みの例にもいえますが、「ネガティブに受け取られるのでは?」といった勝手な想像をしたところで、それだって思い込みに過ぎないかもしれませんね。その思い込みに縛られて行動やコミュニケーションが取れないとなるとなにも解決しないのですから、素直さというものも大切なのかもしれません。 ---------- 戸田 久実(とだ・くみ) アドット・コミュニケーション代表 日本アンガーマネジメント協会理事。立教大学文学部卒業後、服部セイコー(現 セイコーホールディングス株式会社)にて営業、その後音楽業界企業にて社長秘書を経て2008年にアドット・コミュニケーションを設立。研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任する。著書に『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』など。 ---------- ---------- 澤 円(さわ・まどか) 圓窓 代表取締役 1969年生まれ。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、1997年にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。情報共有系コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任。2019年より現職。著書に、『外資系エリートのシンプルな伝え方』(KADOKAWA)、『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1 プレゼン術』(ダイヤモンド社)、伊藤羊一氏との共著『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)などがある。 Twitter:madoka510 Facebook:Madoka Sawa ----------
アドット・コミュニケーション代表 戸田 久実、圓窓 代表取締役 澤 円 構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹