日本社会で高く評価される「我慢力」は、自ら主張しなければ損をするだけという世界のスタンダードにおいてどうなるのか
分不相応のすすめ #4
日本社会では高く評価される、黙々と勤勉に働く「体育会系」タイプは、実は日本人特有の気質らしい。その特徴は、ハリウッド映画に対し、「自分たちが気に食わない表現があると、烈火のごとく怒り、すぐにストライキをする」中国人や韓国人の姿とは対照的だという。 【写真】 烈火のごとく怒る中国人
日本文化が育む「分相応の壁」を打破するためのメソッドを、書籍『分不相応のすすめ』より一部抜粋してお伝えする。
言うことを聞いておけばとりあえずOK
就職活動や、その後の社会人生活において、会社から高く評価されやすいタイプとして「体育会系」があります。大学を通じて部活動をしっかりやってきた体育会系の学生が、就職活動に強く、会社に入ってからもビジネスパーソンとして活躍しやすい背景には、それ相応の理由があります。 ① コミュニケーション能力に長けている まず、野球やサッカー、アメリカンフットボールといったチームスポーツの経験から、コミュニケーション能力に長けていて、チームでの情報共有や団体行動に慣れている点があります。 会社における仕事は、基本的に個人プレーは少なく、チームプレーがメインです。チームを作り、上司から指示を受け、仲間と情報共有や役割分担をして、課せられた役割を全うする、というのが一般的です。体育会出身者は、そうした働き方に、早くスムーズに順応しやすいわけです。 ② 身体的・精神的にタフ また、身体的・精神的にタフである点も特徴とされています。部活動のハードな練習や試合で鍛えられてきたため、体力も精神力もあらかじめ備わっていることが期待されます。 監督や先輩から厳しい指導を受けても、正面から受け止められたり、程よく聞き流しながら上手く対応したりする「タフさ」を持っている人が多いでしょう。 ③ 命令を「ちゃんと聞く」 組織のルールや上司の命令を「ちゃんと聞く」という点があります。部活動の経験から、年功序列を重んじる価値観が染みついており、ちゃんとルール通り、命令通りに頑張ることができる人が多いのです。 厳しくつらい環境にも我慢強いため、「すぐに仕事をあきらめない」「不満があっても文句を言わない」「簡単に会社を辞めない」といった会社にとってのメリットが見込めます。 ④ 勤勉性が高い また、勤勉性が高いことから、たとえ報われなくても真面目に働き続けてくれる、という特徴もあります。総じて、会社や上司にとって、「いい部下」「いつも頑張ってくれる」存在で、便利で管理しやすく、それゆえに高く評価されやすい、といえます。