男性2割弱「配偶者からDV被害」の実態に婚活のプロ「全く少数ではない」…弱者性がわかりにくい男と、理想的弱者の女・子ども
「男性は死にやすい」身も蓋もないニッポンの男性が置かれた現実 2015年ごろに誕生した「弱者男性」という言葉がある。弱者男性とは貧困・障がいといった「弱者になる要素」を備えた男性を指す。こう書くとあたかも、男性のごく一部が弱者であるかのように捉えられがちだが、実際には男性の多くが、潜在的に弱者といえる。婚活事情に詳しいエッセイストのトイアンナ氏が解説するーー。 ※本稿は『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)から抜粋・再構成しています。
男性は女性よりも死にやすい
そもそも男性は、女性と比較して早く死ぬ。厚生労働省がまとめた「令和4年簡易生命表」を見てみると、日本における平均寿命は、女性は87.09歳に対して男性は81.05歳。なんと約6歳もの差があるのだ。特別な理由などではなく世間一般的な平均寿命から見ても、男性は女性より早く死ぬ。これは変わらぬトレンドなのである。 また、男性は自殺もしやすい。厚生労働省と警察庁がまとめた「令和4年中における自殺の状況」を見ると、年間で2万1881人いる自殺者のうち、男性は1万4746人に対して女性は7135人。実に男性は女性の約2倍もの自殺者がいる。 そのなかで、自殺の原因・背景については経済・生活問題や健康問題・家庭問題をはじめ、あらゆる要因が絡み合い、自殺行為につながっていると推測している。
男性は孤独になりやすい
配偶者がいない場合、男性はより早く死ぬ。2018年人口動態調査をもとに、配偶者有無による死亡年齢をひも解いていくと、未婚男性の死亡年齢中央値は約66歳、離別は約71歳。有配偶男性の約81歳からすると、未婚男性は約15歳も早く死んでしまうのである。 こうして見ると、離別でも死期が早まるわけだから、男性は長生きしたければ結婚したほうがいいし、さらに離婚しないほうがいい。男性は総じて孤独に弱い生き物なのだといえる。女性は離別・未婚・死別より有配偶者が最も早く死んでしまうわけで、男性とは対照的だ。 未婚男性が増加する昨今、このままでは、ますます男性の寿命が短くなっていく未来が見えている。