『ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965』パナソニック汐留美術館で 円熟期の絵画作品に注目する初の展覧会
2025年1月11日(土)より、パナソニック汐留美術館では、『ル・コルビュジエ――諸芸術の綜合 1930-1965』展が開催される。近代建築の巨匠として知られる建築家ル・コルビュジエの1930年代以降の仕事にスポットを当て、この時期に手掛けた絵画、彫刻、素描、タペストリー、図面、模型など約90点を紹介する展覧会だ。 【全ての画像をみる】ル・コルビュジエ 《牡牛XVIII》ほか(全8枚) 1887年、スイス、ラ・ショー=ド=フォンに生まれたル・コルビュジエは、21歳の時にパリに出て建築家オーギュスト&ギュスターヴ・ペレのアトリエで働いた後、1918年から約10年間は画家のアメデ・オザンファンと創始した「構築と総合」の芸術「ピュリスム」運動のもと絵を描いた。1930年以降は、午前中を絵画に費やし、午後を建築の仕事をしたと言われている。同展は、2020年から22年まで国立西洋美術館の客員研究員として滞日したドイツの若手美術史家、ロバート・ヴォイチュツケ氏をゲスト・キュレーターに迎え、ル・コルビュジエの1930年以降、つまり40歳代以降の円熟期の創作にスポットをあてる。 サブタイトルにある「諸芸術の綜合」とは、ル・コルビュジエの後半期の活動において鍵となる概念。建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを言い、統一、調和、普遍的な理想主義に導かれた彼の芸術感全体を示すスローガンでもあった。 同展では、絵画や彫刻などの美術作品のほか、ル・コルビュジエの建築の代表作であるロンシャンの礼拝堂や、上野の国立西洋美術館に適用された無限成長博物館構想など、後期の建築作品も併せて紹介し、モダニズムの領域をも拡張したル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにする。 会場構成は、3人のメンバーによる気鋭の建築コレクティブ、ウルトラスタジオが、住居空間のなかに置かれた諸芸術の綜合をイメージして洗練された空間を創出。講演会、シンポジウム、ギャラリートークなど関連イベントの詳細は、美術館ホームページで確認を。 <開催概要> 『ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965』 会期:2025年1月11日(土)~3月23日(日) 会場:パナソニック汐留美術館