ベンチャー企業・JEPLAN、快進撃の理由 「リサイクルができる製品をリサイクルする」画期的技術で世界展開!?
服から服を、ペットボトルからペットボトルを――これまでにない画期的なリサイクル技術によって、資源が循環する「循環型社会」の実現を目指すベンチャー企業、JEPLAN(本社・川崎市、旧・日本環境設計)。創業者の岩元美智彦会長(59)のモットーは「正しいを楽しく」。その言葉通り、技術だけでなく、あの手この手で人々を楽しませながら巻き込んでいく手法で会社を成長させてきました。世界進出も視野に入ってきた同社の、快進撃の理由を探ります。
【岩元美智彦(いわもと・みちひこ) 】 JEPLAN(旧・日本環境設計)取締役 執行役員会長。 1964年鹿児島県生まれ。 北九州大学(現・北九州市立大学)卒業後、繊維商社に入社。 2007年1月、現社長の髙尾正樹氏とともに日本環境設計を設立。2015年アショカ・フェローに選出。 著書に『「捨てない未来」はこのビジネスから生まれる』(ダイヤモンド社)。
高尾山の店にある古着回収箱
東京都を代表する観光スポットとしてにぎわう東京・八王子の高尾山。その登山口近くに2023年10月、一軒の目新しいショップがオープンしました。 古民家を改装した店内には木材が多用され、シンプルでありながら洗練されたデザインの服が整然と陳列されています。顧客の中心はアウトドアウェアに身を包んだ20~30代。登山帰りの休息を求めて店内のカフェスペースに吸い寄せられた人々が商品を手に取り、生地の質感を確かめています。
ここだけ切り取ると、単なる登山客相手のアパレルショップに見えますが、この店、「BRING CIRCULAR TAKAO」にはもうひとつ、注目すべき特徴があります。入り口付近に、古着を回収するための金網製の大きな箱が置かれているのです。その中には、さまざまなメーカー製の色とりどりの服が、何十着と山積みになっていました。 店名にもある「CIRCULAR」とは循環の意。そう、この店はリサイクルによる“服の循環”を社会に広げ、定着させるという壮大なミッションを帯びてオープンしたのです。店内に並ぶ商品の多くは、化学繊維の再生ポリエステル100%。その素材は、店を運営するJEPLANの独自技術によって、回収された古着等からリサイクルされたものです。