ベンチャー企業・JEPLAN、快進撃の理由 「リサイクルができる製品をリサイクルする」画期的技術で世界展開!?
ただ店内を見回しても、こうした仕組みが大きくアピールされているわけではありません。JEPLANの岩元会長は、こう語ります。 「いきなり『地球環境のため』というと、押しつけがましい感じがしてしまうので、そうしたメッセージを目立つかたちでは出していません。多くのお客さまには、あくまでも商品の機能性を評価して購入していただいています。当社の商品で使うポリエステル繊維は、吸汗性、速乾性に優れているので登山やランニングをする方々にも好評ですし、同時に100%綿製と遜色がない、心地いい肌触りを実現しています。そうやって来店していただくなかで、『なに、回収ボックスがあるの?』と気づくお客さまがいて、コンセプトを知って『リサイクルで、環境にもいいんだ』と理解されるようになって――そうして、より一層、ファンになっていただけるんじゃないかと考えています」 “仕組み”を知った顧客は、次に来るときは古着を持ってきてみようと考えます。古着を提供すると商品の10%割引クーポンがもらえるという特典も呼び水になっているのでしょうが、それだけでなく、服を捨てることによる罪悪感も軽くなります。そして、こうして来店した顧客の何割かは、再びお店の商品を購入してくれて──と、こうした好循環が続くうちに、消費者に服をリサイクルする習慣が自然と定着していくというわけです。
古着の回収が行われているのは、自社の店舗だけではありません。JEPLANはすでに、「BRING」のブランド名で大規模な古着回収・リサイクルのネットワークをつくり上げることに成功しています。回収実施企業は無印良品、GUなどの大型チェーンや、パタゴニアやスノーピークといったアウトドアブランド、三越伊勢丹や高島屋といった百貨店など、200以上にのぼっています(2023年9月12日時点)。 つまり、冒頭で取り上げたショップは、JEPLANが運営するさまざまなリサイクル事業のパズルの1ピースなのです。