クロフォード今季初優勝。コレアが前日ペナルティで失った表彰台を取り戻す! 宮田ペースに苦しみ無得点|F2バルセロナ・フィーチャーレース
FIA F2第6ラウンド、バルセロナ戦のフィーチャーレースが行なわれ、ジャック・クロフォード(DAMS)が優勝した。 【リザルト】FIA F2第6ラウンド・バルセロナ:フィーチャーレース結果 5番グリッドスタート予定だったアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)は、マシントラブルによりコースインが遅れ、ピットレーンからのスタートを余儀なくされた。 37周のレースはスタート直後から波乱の展開となった。ターン1からの立ち上がりで4台のマシンが絡む事故が発生。デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)とスプリントレース勝者のヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)はグラベルにハマり、ここでレースを終えることになった。 一方ポールポジションのポール・アーロン(ハイテック)らはポジションをキープ。アイザック・ハジャー(カンポス)は11番グリッドから一気に5番手までポジションを上げた。宮田莉朋(ローディン)はポジションをひとつ下げ、7番手となった。 4周目からレース再開。首位アーロンは2番手クロフォード以下を引き離していく展開。ただ、上位勢は軒並みソフトタイヤを履いており、早々にピットストップすることが予想された。スプリントレースとは異なり、このフィーチャーレースはタイヤ交換義務があるのだ。 スタートで大きく順位を上げたハジャーだったが、タイヤのデグラデーション(性能劣化)が大きく、8周目にハードタイヤスタートのジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)にオーバーテイクを許してしまう。 この8周目を終えた時点で、クロフォードや宮田らがピットイン。ソフトタイヤからハードタイヤへと交換した。この頃から、各車続々とピットインし、タイヤ交換義務を消化していった。 先頭のアーロンがピットに向かったのは11周を走り終えた時点。これでステイアウトしたデュルクセンが先頭に立った。 すると13周目、テイラー・バーナード(AIXレーシング)が最終コーナー付近にストップしてしまったことで、バーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言された。 このVSCが解除された直後、宮田はエンツォ・フィッティパルディ(VAR)にオーバーテイクを許してしまう。宮田は早々にピットストップしたことが功を奏さず、チームメイトのゼイン・マローニらに先行を許し、実質的なポジションを落としてしまっていた。 一方、クロフォードを追いかけて9番手を走っていたアーロンが、15周目の最終コーナーでコースオフ。これでアーロンは大きくポジションを落としてしまった。 先頭をひた走っていたデュルクセンには、17周目に悪夢。突如マシンがスローダウンし、コース脇にマシンを止めた。ピットストップ前ながら、すでにタイヤを交換していたドライバーたちよりも良いペースで周回を重ねていたにも関わらず、突然のトラブル。このまま走り切っていれば勝利の可能性も大きかっただけに、悔やんでも悔やみきれない結果となった。これでこのレース2回目のVSCが宣言された。 20周目からレース再開。ファン-マヌエル・コレア(DAMS)がスタート時のタイヤのまま先頭を逃げる展開。タイヤ交換を終えたドライバーの中では、クロフォードが先頭で、7番手を走っていた。 コレアがピットインしたのは、27周終了時点。ソフトタイヤに交換し、9番手でコースに復帰。追い上げを目指した。 コレアはファステストラップを計測しつつ、次々に前を行くライバルをオーバーテイク。その他、後半に来てソフトタイヤを履いたドライバーたちも、ハイペースで前を追った。 33周目のターン1でアーロンを捉えたコレアは、ついに3番手に浮上。前日のスプリントレースで、ペナルティにより逃した表彰台圏内に分け入ってきた。ただその勢いもここまで。上位2台と同じペースになり、差を詰めることができなくなってしまった。ソフトタイヤの”美味しいところ”が終わってしまったのだ。 結局クロフォードがトップチェッカー。今季初優勝、2023年のレッドブルリンク戦スプリントレースに続く、F2通算2勝目を挙げた。2位にはフランコ・コラピント(MPモータースポーツ)、コレアが前日逃した表彰台を手にした。以下アーロン、ハジャーと続いた。 最終ラップのターン1では、インヴィクタ勢の同士討ちが起きた。前を行くガブリエル・ボルトレトを、クシュ・マイニが狙ったところで両者接触。揃ってマシンにダメージを負ってチェッカーまで走り切り、マイニ6位、ボルトレト7位となったが、今後に遺恨を残しそうな結末となった。 なお宮田はハードタイヤに履き替えた後まったくペースが上がらず、結局13位でのフィニッシュ。入賞を逃すことになった。
田中健一