中国経済の悪化で原油価格は大幅に下落…なのになぜ日本の石油事情はこんなにも苦しいのか
高まる「金投資」の人気
永濱:アメリカも金利は高水準ですが、マネタリーベースは劇的には減っていません。いまだに緩和的な環境が続いているとも言えます。 コモディティは株や債券と比べて市場規模が小さいので、少しのお金でも価格が大きく動きます。そのせいもあって、ボラティリティが高まっていると思います。 ちなみに金もコモディティの一つですが、インフレに強いとされ、近年では日本でも金投資の人気が高まっています。 金の特徴として、世界に存在している量が限られる、という点が挙げられます。そのため、インフレなどで通貨価値が下落すると、その分、金の価格は上昇しやすくなります。 ほか、近年は中国をはじめ新興国の中央銀行が金を購入する動きが目立っています。 中国はかつて世界一の米国債保有国でした。しかし、近年は米国債を売り、代わりに金を購入しているとされます。これをもって世界でドル離れが進んでいるとする論調もありますが、いずれにせよ、構造的に金価格が上がりやすい状況であるのは間違いないでしょう。 『中国には「不動産バブル崩壊」の解決策がない…経済復興の見通しがない中国が抱える「ジレンマ」とは』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ