英語教科書の“エレン先生”が小説に 「英語を学ぶワクワクと、世界を知るドキドキを」 担当者が語る3つの企画意図
教科書などの出版物を扱う東京書籍が、小学校向けの英語教科書に関する新プロジェクトを発表。教科書『NEW HORIZON Elementary』の登場人物を題材にした小説を発表し、SNSを中心に話題となりました。なぜ教科書に出てくるキャラクターを題材に小説を刊行するのか、東京書籍の担当者にプロジェクトに込めた思いを聞きました。 【画像】光村図書のサイト内にある国語の教科書の検索システム『教科書クロニクル』 このプロジェクトでは、令和6年度の小学校英語教科書『NEW HORIZON Elementary』に登場するエレン・ベーカー先生を中心としたキャラクターたちが、教科書を飛び出し、様々なコンテンツを展開。その第1弾として発表されたのが児童文学小説の刊行です。エレン・ベーカー先生をはじめとする教科書の登場人物たちの物語を描いた作品だということです。
■「大人も子供も楽しめる世界を作れたら」 プロジェクトに込めた3つの思い
“物語は教室をこえて”をテーマに、教科書という枠組みを超えて展開される今回のプロジェクト。主に3つの企画意図があると東京書籍の担当者は語ります。 1つめは「同年代の横のつながりだけではなく、親の世代から子供の世代へとつながっている“教科書ならでは”の特性をいかし、大人も子供も楽しめる世界を作れたら」という思い。教科書は学校で毎日のように使用することから、キャラクターのことを大人になっても覚えている人が多く、使用している児童・生徒も多いことで、同じ年代の人が同じキャラクターやシーンを共有できるという特徴が根底にあるといいます。 2つめは過去に作った一般書が評判となったことや、平成28年度版の中学校教科書でエレン・ベーカー先生というキャラクターが注目を集めたなかで、「弊社の教科書を使っていただいたことのある方から、『教科書のキャラクターを使って盛り上がりたい』という“思い”のようなものが感じられたこと」だといいます。 そして一番大切だという3つめは「英語は、英語を学びたい! というモチベーションがとても大切です。ですから、こうした教科書の枠をこえたキャラクターや物語を通じて、弊社の教科書を使って学習する児童に、教科書以外のシーンを通じても、英語を学ぶワクワクと、世界を知るドキドキを伝えられたら、そしてそれが英語を学習するモチベーションにつながってくれたら」と、これから英語を学ぶ子どもたちへの願いを明かし、そして「英語の教科書を通じて、たとえば『お父さんのときの教科書はこんなだったんだよ』といったように、家庭内で親子の会話が生まれれば、教科書を作る会社で働く人間としてこんなにうれしいことはありません」と思いを語りました。 今後については「ちょっとした工夫をした、英語初学者向けの学習参考書を準備中」だと言い、「英語の教科書だからこその世界観やキャラクターであることを軸として、教科書会社としてちょっとずつ“冒険”する企画を考えていければと思っています」と展望を語りました。