小林弘幸 人生は結局「不遇な時期をどう過ごすか」で差がつく。流れが悪いときほど大石内蔵助のように「こっそり、ひっそり準備」が正しい
厚生労働省が2023年に発表した「労働安全衛生調査」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により1ヵ月以上休業した労働者の割合は、1,000人以上の事業所規模で1%だそう。自律神経が乱れていると「なんとなく気分がすぐれない」と感じるようになると話すのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。小林先生いわく、「流れがいいときは自律神経の状態もいい」そうで――。 【書影】名医が実践する、「自律神経を整え、心地よく暮らす」99の行動術。小林弘幸『はじめる習慣』 * * * * * * * ◆ネクスト・バッターズ・サークルで実力を蓄える 人生に差がつくとしたら、それは「不遇な時期をどう過ごすか」だと私は考えています。 好調なときは謙虚、感謝を忘れず、あとは流れに乗るだけです。もともと人間は流れに乗るのは得意ですし、流れがいいときは自律神経の状態もいいのでいろいろうまくいくでしょう。 流れが悪く、不遇な時期をどう過ごすか。むしろこちらが重要です。 人生はプラスマイナスゼロなので、いずれいい流れがやってきます。ポイントは、そのときに「流れに乗る準備ができているか」です。 流れが悪いとき、それはネクスト・バッターズ・サークルにいるようなもの。打席が回ってくるそのときに備えて、体調を整え、さまざまな準備をしておく時間です。 具体的には、今のスキルを高めることに注力してもいいでしょうし、新しいテーマや課題を見つけてチャレンジする期間にあててもいいでしょう。 新しいコミュニティに積極的に入り、新たな人間関係を築くこともあるでしょう。 流れが悪いとき、愚痴ばかりいっていたり、腐って何もしていない人は打席が回ってきたときにいいパフォーマンスをすることができません。
◆結果は誰も奪うことはできない 私がイギリスに留学していた頃、インド人の恩師がこんなことをいっていました。 「結果は誰も奪うことはできない」 ここでいう結果とは、誰かの評価を受けることではなく、自分で地道に研究した結果であったり、コツコツと積み上げ、身につけた力のことです。 どんなに素晴らしい研究をしても、どんなに実力を身につけても、それを発揮できるタイミングがすぐに訪れるとは限りません。 しかし、結果は誰にも奪われることはありません。自分に流れが向いてきたとき、それがモノをいうわけです。
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