《熾烈すぎる東北の2位争い》「岩手と福島、どっちが上?」地元の人に聞くと返ってくる「意外な答え」
マーケティングがうまい県
北陸3県に目を移すと、最も魅力度が高いのは金沢を有する石川県だが、2位争いが近年激化している。今、勢いがあるのが福井県だ。 今年3月には北陸新幹線が敦賀まで延伸され、東京―福井間が乗り換えなしで移動できるようになった。交通の利便性が上がったことで「観光客が急増している」と語るのは、福井県敦賀市の住民(62歳)だ。 「福井県が観光に力を入れたおかげで、首都圏の人も大勢来てくれるようになりました。目当てはやはり昨年7月にリニューアルオープンした恐竜博物館ですね。富山が北陸のライバルとして見られているようですが、観光ブランドでは、もはや福井が圧倒していますよ。都会の皆さんは新幹線で、富山と石川を通過して来てくれます」 福井は県として大々的に恐竜を打ち出したキャンペーンを展開。永平寺や東尋坊を名所として売り出すのではなく、福井=恐竜というイメージに刷新した。 こうしたマーケティングのうまさは福井の県民性だと、リサーチプロデューサーの木原誠太郎氏が解説する。 「福井県は歴史的に商才に長ける人物が多く、『越前商人』として知られていました。抜け目がなく、アピールの仕方がうまい。 ほかの側面としては、鯖江メガネ、越前漆器、若狭塗、越前和紙のように、ものづくり産業にも強みがあります」 後編記事『「6年連続で日本一幸福な県は?」「そろばん教室が人口あたり日本一」その意外な都道府県の正体』に続く。 「週刊現代」2024年12月21日号より
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)
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