「チューイングガム研究課」にガムの魅力を突撃取材! グミ台頭のなか"ガムの逆襲"が始まる!!
★駄菓子から健康食品まで! ふくらむ「ガム」の世界 「フィリックスガム」(丸川製菓) 1960年から販売。「10円ガム」「ネコガム」の通称で知られる"日本一安い菓子"。パッケージのキャラクターはアメリカ生まれの「フィリックス・ザ・キャット」。 「どんぐりガム」(パイン) キャンディの中にガムが詰め込まれた、ひと粒でふたつの楽しみがあるお菓子。丸い形状がクヌギの実のドングリに似ていることからこの名称に。 「グレープ マーブルガム」(丸川製菓) 1959年から販売されているひと粒1㎝ほどのボール状のガム。写真はマーブルガムシリーズの「グレープ味」。ほかに「オレンジ味」「いちご味」がある。 「すっぱいレモンにご用心!」(明治チューインガム) 袋の中にある3つのガムのうち、ひとつが超すっぱいという遊び心が光るガム。 「ポスカ」(江崎グリコ) 歯に浸透しやすいカルシウム成分を配合しており、初期むし歯(歯の表面に穴が開く手前の状態)への対策になる。特定保健用食品、日本歯科医師会推薦。 ■ガムの強みは多彩さ これまでロッテは「眠気スッキリ!」や「デンタルケア」など、ガムにさまざまな付加価値をつけてきたが、スポーツシーンで活用されることにも注目しているという。 「プロ野球・千葉ロッテマリーンズやJリーグ・川崎フロンターレの選手の方などにご協力いただき、選手それぞれの好みの硬さ・香味・形状にカスタマイズした専用ガム『プロフェッショナルガム』を共同開発して選手へ提供する取り組みも行なっています。 そして、今年7月には『キシリトール スポーツガム』も発売しました。通常のガムは噛んでいくうちに徐々に噛み応えは失われてしまいますが、この商品は硬さと味が比較的長持ちします。さまざまなスポーツシーンや日々の運動に生かされることを期待しています。 また、ガムを噛みながらデスクワークをすると、硬さが持続することで仕事がはかどると感じます。アスリートだけでなく、仕事用のガムといったものも、今後開発していけたらと考えています」(浦部氏) * * * 各社がガム製造から撤退・縮小する中、前出の毛利氏は「それに追随しようという考えは1ミリもなかった。ガムはロッテの魂ですから」と力強く言い切る。 グミを超える多様なラインナップと機能性の豊富さで、ガムはお菓子市場での復活を狙う。実際、日本チューインガム協会によると、23年の国内小売金額は前年比106.3%と少し巻き返しており、〝逆襲〟はすでに始まっているのだ。 取材・文/武松佑季 撮影/下城英悟