10月の食品値上げ2911品目、年内最大の値上げラッシュ 「酒類・飲料」が1年ぶり1千品目超、ハム・ソーセージで一斉値上げ
今後の見通し:2024年通年の値上げは1万3千品目以下の見込み 前年の4割程度の水準
2024年における飲食料品の値上げは、当初沈静化が予想された「原材料高」の影響が長期化したほか、食品トレーやびんなど包装資材、物流費、さらには一時1ドル=160円を突破する記録的な円安も加わり、粘着的な値上げ圧力が続いた。ただ、高い上昇率が続く食品の値上げに対し、実質所得が伸び悩む家計で購入点数の減少や安価なPB商品への変更、買い控えといった「値上げ疲れ」の消費行動が定着し、値上げを含めた価格設定は23年に比べて非常に難しい局面が続いた。カカオ豆や食肉製品など、世界的な異常気象の影響で急激な価格の変動がみられた原料を使用した食品では年内に複数回の値上げを実施するケースもみられたものの、多くは値上げの見送りや、内容量の減量などで価格を極力維持する傾向が強く、値上げの勢いは後退感がみられる。 足元ではコメ不足に伴う原料米の価格高騰を背景にパック米飯で一斉値上げといった動きもあるものの、11月以降は総じて落ち着いた推移が見込まれ、2024年通年の値上げは前年(3万2396品目)に比べて4割程度の水準となる1万3千品目以下での着地が想定される。