世界で唯一サッカー代表チームを持たない国がFIFA&OMC加盟に向けプロジェクト進行中
世界で唯一サッカー代表チームを持たない国として知られるマーシャル諸島が、11人制のサッカー代表チーム結成に動いている。 【動画】昨年発表されたマーシャル諸島代表のユニフォーム マーシャル諸島は太平洋上に浮かぶ島国で、ミクロネシア連邦の東、キリバスの北に位置する、29のサンゴ礁と5つの島で構成される。人口は2021年時点で4万2000人程度だ。 第二次世界大戦中にアメリカに占領され、以降は長らく核実験の場として利用されてきたが、1986年に独立国家となった。 スポーツ面では2008年に国際オリンピック委員会(IOC)に加盟し、北京オリンピックからオリンピックに出場。だが、サッカーに関しては11人制代表チームを持たない唯一の国として名を馳せていた。 しかし、国内でサッカー代表チーム創設への機運が高まっており、国際サッカー連盟(FIFA)、オセアニアサッカー連盟(OFC)への加入と共に国際大会への出場に向けたプロジェクトが進行中だ。 マーシャル諸島のテクニカルディレクターに任命され、そのプロジェクトの中心を担うイングランド人のロイド・オーワーズ氏は、イギリス『BBC』でこのプロジェクトに関わる経緯を明かした。 「最初はメールでやりとりしていたが、時差の関係で『WhatsApp』で話す方が楽になった」 「その後、サッカーの成長に関する自分の考えをまとめた提案書を作成するよう求められる段階になった」 さらに、同氏は壮大なプロジェクトについても説明している。 「個人的には、これほど大きなこと。つまり世界で唯一明確な代表チームを持たない国に加わる機会を得た」 「しかし、それは野心でもあった。連盟はOFCの一員になりたいだけでなく、最終的にはFIFAのメンバーになりたいとも考えている」 「彼らは地元の国と対戦したいだけでなく、もっと大きなプログラムに参加したいと思っている」 「ワールドカップ予選に参加したい。OFCチャンピオンシップにも参加したいし、メインストリームのサッカーに参加したいんだ」 「連盟が目標と野心を押し進めたいように続ければ、10年後にはそれが実現しない理由はないと思っている」 また、今回のプロジェクトの背景には純粋なスポーツ的観点だけではなく、国として海面上昇などの気候変動の危険性によりスポットライトを当てたいとの切実な思惑もあるという。 なお、マーシャル諸島サッカー連盟は、先日に最初のユニフォームを発表し、2024年夏の初試合でそれを着用することを期待していた。 ただ、7月に首都マジュロで開催されたキリバスとミクロネシア連邦との試合は11人制サッカーではなく、フットサルトーナメントの開催となった。 それでも、今回の初の対外試合はマーシャル諸島にとって大きな一歩となった。
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