眠っている「自分の本心」を目覚めさせる方法は?
どんなところに惹かれている?
リストは膨らんでいるでしょうか? 今度はそれぞれのもの・ことの右側に、それぞれ「どんなところが好きなのか」を書いていってみましょう。 たとえば、「旅行」が好きだという方にその何が好きなのかを訊いてみると、「リラックスできる」「冒険」「新しい出会い」「計画して実行するおもしろさ」など、答えは人によって実にさまざまです。ここが大事なところです。「"自分"は何に惹かれているのか?」に意識を向けてみましょう。書き出していくと、共通するエッセンスのようなものが表れてくるかもしれません。 私がファカルティを務めているコーチングスクールのCTIでは、目に見える行動「Doing」と同じくらい、その奥にあるその人の気持ちや価値観などの「Being」を大切にしています。このBeingにこそ、その人らしさがあります。 同じことを楽しんでいながらも、何に喜びを感じているかは、人それぞれ。職場でも、家庭でも。いろいろな価値観の人がいる中で、「私にはこれが喜びなんだ」「ここにおもしろ味を感じているんだ」というものを見つけた時、それが、その人のアール・ドゥ・ヴィーヴルになっていくと思うのです。このエッセンスに喜びを感じる。だからこれを大切にしていきたい、こんな風になっていきたい、こんなふうに毎日を過ごしたい、というように。
アール・ドゥ・ヴィーヴルは育てるもの。
既製服やお惣菜など、いまの世の中は最初から完成した便利なものにあふれています。けれども、自分自身については自分で育てていくしかありません。アール・ドゥ・ヴィーヴルも育てていきましょう。 ここでまず始めてほしいことは、今回見つけた好きなものを実際に楽しむことです。 海が好きなら、行ってきてください。せめて波の音を聴くだけでも。どんな小さなことでもいいので、自分を満たしてあげてみてください。 周囲の人を喜ばせることに一生懸命な方ほど、自分自身を喜ばせることをおろそかにしがちです。それを続けていると、自分が何を欲しているのかわからなくなってきます。私たちがまず満たすべきは自分自身。飛行機の酸素マスクと同じです。自分が満たされていて初めて、人にも優しくなれます。 自分が欲するものをちゃんと聴いてあげると、感性は動き始め、より広く、より繊細に、情報をキャッチするようになります。次第に、いままでと同じ日常を過ごしていても、これまでは視界に入ってこなかったことが見えてくるようになったり、もっと心惹かれるものを見つけるかもしれません。そういう自分でいると、おのずと人やものがやってきてくれる、というようなことも起き始めます。そんな可能性にもぜひ胸を膨らませてみてください。 では、次回までの宿題です。 今回見つけた自分の好きなことをして、自分自身を喜ばせてあげてください。 「そんなことをして何になるの?」という声が聞こえてきたら、「いまはアール・ドゥ・ヴィーヴルを見つける旅の途中だから」と言って、続けましょう。 ではまた1週間後に!