共同親権審議で参考人質疑 必要性に懸念、割れる評価
離婚後の共同親権を可能にする民法改正案に関し、参院法務委員会は7日、参考人質疑を行った。推進派の学者らは、養育の多様化などに対応するため導入が必要だと強調。ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者の支援団体が「被害者の生活が脅かされる」との懸念を示すなど、評価は分かれた。 東大大学院の沖野真已教授は、離婚後の父母どちらかの単独親権を採用した現行民法が定められた1947年に比べ、養育の在り方は多様化したと指摘。離婚後に片方しか親権を持てない現状に対し「重要事項を双方の熟慮の上で決めることを法制度で支えていないのは問題だ」と述べた。 改正案は、共同親権を選んだ場合も日常の行為などについては一方の親権者で決定できるとしている。沖野教授は「適時の意思決定ができなくなるとの懸念への対処といえる」と評価した。 一方、DV被害者を支援するNPO法人「女のスペース・おん」(札幌市)の山崎菊乃代表理事は、制度導入で被害者と加害者が接点を持たざるを得なくなることを危惧した。