足下の技術と強度で圧倒!聖和学園が八戸学院光星に大勝発進
第23回東北高等学校新人サッカー選手権大会が1月27日、Jヴィレッジにて開幕した。ピッチ4の第1試合は宮城1位の聖和学園と、青森3位の八戸学院光星が対戦した。 【フォトギャラリー】聖和学園 vs八戸学院光星 開始早々から相手陣内に勢い良く攻め込んだのは聖和学園。しかしこの日は強風に加えて、ピッチコンディションが良くなく「光星さんもグラウンドコンディションが悪いので、前から来てバタバタした時間帯がありました」と加見成司監督も選手たちが滑りやすいピッチに苦戦しているのを感じていた。 そんな中先制ゴールが聖和学園に生まれた。10分、右サイドを駆け上がったキャプテンDF菅原拓也(2年)がクロスを入れる。「相手が滑ったのでチャンスだと思いました。緊張しましたが決められて良かったです」とこの場面を振り返ったのはMF中村柊真(2年)。冷静にゴールを決めて、欲しかった先制点を奪った。 これで落ち着いた聖和学園は29分中盤からゴール前に駆け上がったMF平川陽斗(2年)のゴールで2点差とし、さらに前半終了間際の35+1分ショートコーナーからMF安原知希(2年)がクロス。逆サイドでDF川上壱也(1年)がきっちりヘディングで折り返し、こぼれ球をDF松永和真(2年)が押し込み前半だけで3点リードを奪って後半に折り返した。 後半も聖和学園の勢いは止まらず、41分左サイドでボールを受けた中村が相手DFに囲まれるも聖和らしい狭いところを抜けるドリブルで相手を剥がす。「ファーストタッチでミスってしまいましたが、切り込んで切り返して中に入り込んで決めました」と最後は倒れ込みながらもシュートを決めてこの日2点目のゴールでさらに突き放す。 44分には安原のコーナーキックからDF細谷隼生(2年)がヘディングシュートを決め、47分相手のバックパスミスを拾った安原が角度の無いところから逆サイドのサイドネットへ技ありのシュートを決めた。試合終了間際の69分にはDF亀谷渉太(2年)がロングシュートを決めてダメ押し。7-0で聖和学園が大勝。2回戦帝京安積戦へと駒を進めた。 2ゴールを決めた中村について加見監督は「中村の良さは突破力。2枚、3枚いける」と特に2点目の相手DFを何人も剥がしてのゴールが彼の真骨頂だと語る。中村自身も「DFの間を抜けていくような、間を割って入っていくようなドリブルが得意」と相手を剥がしてゴールまで持ち込むことに自信を見せる。 また、聖和学園は足下の技術、ドリブルに注目が集まりがちだが、近年は強度を上げることにも取り組んでいる。「今までまりやっていなかったディフェンスも上げないといけません。相手にサッカーをやらせないように、普段からバチバチやっています」と加見監督も練習の成果を語る通り、強度で八戸学院光星を寄せつけず、相手をシュート2本に抑えた。 チームの目標は「優勝」と語る中村。「サイドバックを完全に剥がして、クロスを上げきって、(安原)知希にボールを上げればシュートを決めてくれますし、自分でも得点を決められたら」と意欲を見せる。「トーナメントはなかなか経験できないので、この経験を大事にしたいです。負けたら終わりなので、勝つことを強く思いながらプレーして欲しいです」と語る加見監督。攻守でタレントの揃った世代で、まず東北の頂点を目指す。 (文・写真=小林健志)