「住宅政策融資」の管理方向をめぐり主務官庁である国土交通部と金融委員会のジレンマが大きくなっている。

「住宅政策融資」の管理方向をめぐり主務官庁である国土交通部と金融委員会のジレンマが大きくなっている。家計向け融資と住宅価格上昇を抑えるために政策融資の敷居を高めるべきという指摘が出るが、脆弱階層保護という政策目標を放棄するのも難しいからだ。 中央日報が野党「共に民主党」の韓俊鎬（ハン・ジュンホ）議員室を通じて入手した住宅都市保証公社（ＨＵＧ）の１～８月のティディムドル貸付残高によると、１月末の貸付残高は３４兆２７１７億ウォンだった。しかしその後残高は毎月急増し、８月末には５０兆１７１８億ウォンまで増えた。１月末と比較すると約４６．３％の急増だ。住宅都市保証公社は国土交通部傘下の公企業で、住宅関連保証業務と政策事業を遂行する。庶民と新婚夫婦、新生児を出産した家庭を対象にした住宅政策融資である「ティディムドル（踏み石）貸付」を運営している。 これに対し、金融委員会傘下韓国住宅金融公社（ＨＦ）が管理する代表的な住宅政策融資である「ポグムジャリローン」は今年に入って増加傾向が大きく鈍化した。ＨＦによると今年１月末のポグムジャリローン残高が１１２兆６４５７億ウォンで、最新集計分の７月末の残高１１４兆２００２億ウォンと比較して１．３８％増えるのにとどまった。同じ期間に住宅都市保証公社のティディムドル貸付の増加幅が３９．７％に達する点を考慮すれば事実上２大住宅政策融資が正反対の方向で運用されたと解説できる。 ◇金融委特例ポグムジャリローン廃止、国土交通部は新生児特例発売 実際に金融委とＨＦは昨年の特例ポグムジャリローンの発売後に家計向け貸付増加傾向が大きくなり、今年から年間所得基準（夫婦合計７０００万ウォン以下）と住宅価格基準（６億ウォン）などを以前の水準で復活させた。金利も年３．９５～４．２５％（優待金利除外）で都市銀行と比較して大きな差がない。事実上住宅政策融資をこれ以上大きく膨らませないという意志と解釈できる。 これに対し、国土交通部と住宅都市保証公社はティディムドル貸付の条件をさらに緩和した。貸出金利が年２．３５～３．３％水準と都市銀行と比較して依然として大きく低い上に、今年２月から新生児特例貸付を追加で発売し所得基準（１億３０００万ウォン以下）と対象住宅（９億ウォン以下）の範囲もさらに広がった。これに加えて国土交通部は新生児特例貸付の所得基準を２億５０００万ウォンまで引き上げる案も推進している。実際に新生児特例貸付は２月末には残高が１９７６億ウォンにとどまったが、その後は急増し８月末には４兆１３１５億ウォンまで増えた。 ◇家計負債の懸念に、金融委は政策融資「管理モード」 金融委と国土交通部が正反対の政策を広げているのは政策融資の「ジレンマ」のためだ。金融委は政策融資が家計貸付規制の例外を作り、家計負債管理をさらに困難にさせているとみている。政策融資は総負債元利金償還比率（ＤＳＲ）などの適用を受けないだけでなく、条件だけ合えば貸付を出さなければならないため銀行など金融機関が人為的に貸付総量を管理し難い。