「10分の細切れ集中」で自分を差別化する方法 10分で集中が切れても仕事に支障はない
あなたの集中力の欠如が疲れによるものなのかどうかを知る、一つのバロメーターがあります。あなたは仕事中にふと、「あの問題、どうしよう?」などと急に不安が襲ってきたり、睡眠をとろうとベッドに入った後に急に仕事の不安が襲ってきたり、ということはありませんか。 そして、「もうだめだ」という絶望的な気分になったりしないでしょうか。もし、そんなことが頻繁にあるのなら、あなたは思った以上に疲れていると考えるべきだと思います。つまり、「疲れを自覚して、休む」ことこそが、正常な判断力を取り戻すためには不可欠だということです。
大量の情報にさらされることで、頭はもちろん、特に「目」が疲労します。リモートワークで身体はそれほど疲れないはずなのに、なぜか疲労が取れない。それはひょっとすると情報過多による「頭」と「目」の疲れかもしれません。 こうした疲れは身体の疲れに比べて自覚しにくいため、疲れているのに刺激を求めて、常時オンライン接続の状態で情報の波間を漂い、また疲れる……そんな負のサイクルを繰り返している現代人が、集中できるわけがないのです。
かといって、集中しなくていいと言っているわけではありません。誰もが集中できなくなっている以上、集中が差別化のためのコアスキルであることは、まぎれもない事実です。 ■「集中」の定義を変えよう ただ、「集中」というものの定義を変えてほしいのです。おそらく、多くの人が思い浮かべる集中というものは、このように「『集中するぞ!』と決意し、どこか邪魔されない場所にこもり、1時間なり2時間なり、あるいは半日くらいかけ、一心不乱にそれを行う」ということだと思います。
でも、それが実際には今の時代、難しいのは前述のとおりです。そもそも、「長時間集中し続けることは、人間にとって自然なことではない」のです。 「人間の集中力はどれだけ保てるのか」についてはさまざまな研究やデータがありますが、多くのデータは「人間の集中力は、それほど長くは続かない」ことを示しています。 私が一番しっくりきているのは、「集中できるのは、長くても10~15分」というデータです。私もそうですが、10分も同じ作業をしていると、いつのまにか別のことが頭に浮かんできたり、つい身体を動かしたくなってきたりします。以前は私もそんなときに「集中しなければ」と思ったものですが、今では集中力が切れたサインだとわかっていますので、ここで5分くらい休みを入れます。