運動嫌いの私を変えたベリーダンスの魅力とは?【体験談】
ついに出会った、夢中になれる「ベリーダンス」
私にとっては、どんなエクササイズも一種の拷問。もうやめよう。私がベリーダンスに出会ったのは、そう思っていた矢先だった。 当時の私はトルコに住んでいた。トルコ人は少しでもおめでたいことがあればすぐに踊る。昔からの友達と数年ぶりに会えたときなど、それが例え路上であってもすべてを忘れて踊り出す。独身最後のパーティーでは女子たちが激しく踊り、誰が一番セクシーかを競い合う。結婚式では、お酒なしで(トルコ人の大半はイスラム教徒なので)何日も踊り続ける。大人から子供まで全員がプロダンサー。 みんなと一緒に踊るのは楽しいけれど、それだけではアマチュアの域を出られない。数年後、47歳で母国オーストラリアに戻った私は、しっかり踊れるようになろうと心に決めた。グーグルで調べてみると、地元のコミュニティセンターが初心者向けのレッスンを低価格で提供している。早速レッスンに参加した私は一発でベリーダンスの虜になった。あの脈を打つようなリズム感。自分の全エネルギーを短い間隔で勢いよく放出するぶん、呼吸もコントールしやすい気がする。しかも、ベリーダンスでは腕・腰・脚を別々に動かすので、もともと動きがぎくしゃくしている私でも問題なかった。 ベリーダンスを始めてからの5年間で、私のスタミナは劇的に向上した。毎回、レッスンの半分は特定の動作の練習に充てられる。“ヒップフリック”の練習で腰をテンポよく上下左右に動かし、“キャメル”の練習で胴体の筋肉を波のように動かせば汗が噴き出す。 ベリーダンスは難しいけれど、いつも楽しい。ステップが正しく踏めない日やミスしてばかりの日はあるけれど、最後は必ず鼻歌を歌いながら教室を後にする。生徒たちは「もっと速く、もっと長く」という先生からの無理難題にも勇猛果敢に立ち向かう。自分のシルエットだけを見つめてテンポよく腰を振り、無我夢中でついていく。最後はみんなコントロール不能になって、ふらふらと鏡にぶつかり、ひたすら笑う。 私のウエストは決して細くないけれど、こういうエクササイズをしているせいで体は随分引き締まったし、自分の意思で動かせるくらい腹筋がついてきた。ベリーダンスにおいてカーヴィーな体のラインは、隠すというより誇示するべきもの。そしてなにより今日の私は、ぜんそく発作で倒れることなくバス停まで走っていける。 私のクラスには10代の女の子からおばあちゃんまで幅広い人がいて、体型や身体能力もさまざま。だから、スタジオの鏡の中で自分を人と比べても気後れしない。私は背が高いわけでも体が柔らかいわけでもないけれど、ベリーダンスはクラスの中でも上手いほう。踊っているときの自分は強くて健康な感じがする。 これまで私は、英語(シドニーに住んでいたとき)とトルコ語(トルコに住んでいたとき)でベリーダンスのレッスンを受けてきた。そして最近リスボンに引っ越してきてからは、ポルトガル語でレッスンを受けている。使用言語が変わってもベリーダンスの楽しさは変わらない。運動をしている感じがまったくしないベリーダンスに出会ったことで、私はやっと長期的に維持できるフィットネスの習慣を身に付けた。 ※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。