横芝光町が自動運転バスの通年運航開始。国産初となる「Minibus」の導入にも注目
国産の自動運転バス、「Minibus」はどこまで活躍できるか
現状、国内の自動運転バス/シャトルの実証実験に用いられている車両は、ほとんどがフランスのNAVYA(ナビヤ)が製造する「ARMA(アルマ)」、あるいはエストニアのAuveTech(ウーヴテック)が手掛ける「MiCa」などが占めている。横芝光町が導入した「Minibus」は、ティアフォーが手掛ける“国産自動運転バス”であるところにも注目しておきたい。 ティアフォーは、名古屋大学の研究室から誕生したいわゆるディープテックスタートアップ企業だ。自動運転の普及を目指して、多くのモビリティ関連企業に自動運転技術およびその技術基盤を搭載した車両を提供している知る人ぞ知る企業である。 「Minibus」はその技術基盤を搭載した車両ラインナップのひとつ。完成車メーカーから提供されるベース車両をもとに、ステアリングやブレーキなど駆動系の電動化モジュールおよび自動運転レベル4水準の自動運転機能に対応した電気電子アーキテクチャーを搭載している。 顧客は用途・目的に応じたソフトウエアを後付けすることで、レベル4認可取得を可能とすることができる。なお、車両の販売は、高精度3次元計測器や3次元地図などアプリケーションの開発や導入支援などで数多くの自動運転実証をサポートしてきたアイサンテクノロジーが行っている。 国産の自動運転バスは「Minibus」が事実上初となる。ティアフォー/アイサンテクノロジーとも今後はその基本性能をさらに高めていくという。千葉県横芝光町での取り組みと併せて、今後は自動運転バス国産化の行方も見守っていきたい。 【Minibus 基本諸元】※アイサンテクノロジーHPより抜粋 ・全長×全幅×全高:7190×2320×3050mm ・ホイールベース:4760mm ・乗車定員:25人(客席15席+運転席1席+立ち席9人=定員25名) ・最高速度:35km/h(手動時は70km/hで走行可能) ・航続距離:一充電あたり最長約150km ・最大登坂度:20% ・最小回転半径:7.9m ・充電出力(CHAdeMO):50kW ・充電時間(CHAdeMO):約2時間 ・センシングディバイス:LiDAR/カメラ/RADAR ・その他装備:GNSSおよびIMU