空席が目立ったJリーグチャンピオンシップのなぜ?
6日前とはまったく異なる光景が広がっていた。今シーズンから導入されたJリーグチャンピオンシップ。浦和レッズとガンバ大阪が一発勝負で対峙した、28日の準決勝の舞台となった埼玉スタジアムに詰めかけた観客数は、6万3700人の収容能力に対して4万696人にとどまった。 22日に同じ埼玉スタジアムで行われ、5対2で圧勝したヴィッセル神戸とのセカンドステージ最終戦は5万2133人。幾度となく名勝負を繰り広げてきたガンバ戦はゴールデンウイーク中の5月2日にも行われ、今シーズン最多となる5万3148人のファンやサポーターで埋まっている。 前日までの冬冷え状態から一転して、午後2時のキックオフ時の天候は快晴無風。気温は15.6度と、スポーツ観戦には絶好のコンディションが整った。 さらには、勝ったチームがホーム&アウェー方式で争われるサンフレッチェ広島との決勝へ進む。悲願の年間チャンピオンへの第一歩となる状況からみても、寂しい数字だったと言わざるを得ない。 メインスタンドから見て左側のゴール裏は、いつものようにチームカラーの赤で染まって膨れ上がり、ピッチで戦う選手たちを鼓舞し続けた。しかし、緩衝帯で隔てられた状態でガンバのサポーターと同居する反対側は、上段に空席が目立った。 何よりもバックスタンド2階は、残念ながら4割ほどの入りにとどまっていた。Jクラブで屈指の人気を誇り、今シーズンのJ1でも17試合で65万8668人を動員した浦和に何が起こっていたのか。 浦和はシーズンシートで、約1万9000席分を売り上げている。その状態から前売りや当日券を上乗せして、J1の1試合平均で3万8745人という数字を達成した。しかし、今シーズンから導入されたチャンピオンシップは、シーズンシートの対象外となる。 チーム関係者が言う。 「1万9000席分がゼロとなるわけですから、4万枚近くを売らないとシーズン中と同じ数字にはなりません。シーズンシートを買っていただいたお客様全員に、チャンピオンシップのチケットを購入していただくのもやはり難しい。そういった点も、大きな要因だと思っています」