空席が目立ったJリーグチャンピオンシップのなぜ?
そして、シーズンシートと並ぶ問題が、準決勝の前売りチケットの販売期間となる。 チャンピオンシップの最終的な組み合わせは、22日のセカンドステージの結果を受けて決まった。数字の上では鹿島アントラーズが逆転でセカンドステージ制覇を果たす可能性もあったため、最終節を終えるまではチャンピオンシップへ進出するチーム数も「3」ないし「4」となる可能性を残していた。 結果として広島が勝ったことで、鹿島のセカンドステージ優勝と浦和の年間総合勝ち点1位が消滅。チャンピオンシップ出場チーム数は「3」となり、年間総合勝ち点1位の広島が決勝へシード。浦和とG大阪で準決勝を戦う構図となった。 しかし、前売りチケットが発売されたのは、Jリーグ側からの指示で最終節から4日後の26日とされたという。G大阪戦まで、わずか2日という時間しか与えられなかったことになる。 4チームがチャンピオンシップに出場した場合、浦和は25日に行われる1回戦の勝者と準決勝を戦うか、あるいは年間総合勝ち点1位で決勝へシードされる組み合わせになっていた。 最終的な組み合わせが確定する前に前売りチケットが発売されれば、もともと難解なチャンピオンシップにさらなる混乱が生じるのではないか。Jリーグ側はそう危惧したのではないだろうか。 結果として異例とも言うべき短い期間での前売りチケットの発売となったが、こうした状況下で日本有数のサッカータウンと呼ばれる「ゆえん」が発揮される。別のチーム関係者が言う。 「26日だけで、というよりも厳密に言えば26日の7時間だけで約3万8000枚を売り上げました。空席が目立ったのは寂しいし、実際に5万人以上の大声援で選手たちを後押ししてあげたかったけど、逆の見方をすればすごい数字だったとも言えます。今回は(チャンピオンシップの)システムの問題だったと思っているし、その点はJリーグとも相談しないといけない」 つまり、レギュラーシーズンよりも短い期間で、倍近い売り上げを見せていたことになる。前売りチケットの発売期間があと2日でも長ければ。あるいは、複雑なチャンピオンシップの開催方式の説明が、もっと多くJリーグから発信されていたら――。仮定の話になってしまうが、絶好の条件に恵まれた準決勝のスタンドは、また違った光景になっていた可能性が高い。