会議で総スカンを食らう「残念な資料」を、「伝わる資料」にすぐ作り直す3つの方法
重要な会議や打ち合わせで散見される「残念な資料」。その多くに共通するのは「3つの残念ポイント」だという。資料を改善しろと言われても具体的に何をすればいいのかわからない人のために、プロが添削の実例を挙げ、「ロジカルで伝わる資料」を作成する方法を伝授する。本稿は、丸 健一『ロジカル資料作成トレーニング コンサルタントが必ず身につける定番スキル』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 量が多すぎる会議資料に上司が 「分かりやすくまとめ直してくれ」 あなたは、会社の重要な会議で発表をしている。今日に向けて、部下にも資料作成を依頼し、関連する部門からも資料を取り寄せ、万全の準備をした。資料は30枚を超えていた。 1枚1枚説明していくが、会議の雰囲気は重い。時間だけが過ぎていき、「発表は以上です。何か質問はありますか?」と発表を締めたが、誰も何も話さない。 気まずい数十秒の沈黙の後に、最も偉い上司がつぶやいた。「ちょっと量が多すぎて消化不良なんだが、要約するとどういうことなんだろう?」 あなたは、咄嗟に話し始めるが、返答が要領を得ていないことは自分でも薄々勘付いている。しどろもどろのところに、他の参加者から質問が飛ぶ。「あれはどうなっている?」「この件は話が違うのでは?」 質問の中には、すでに説明をしたつもりだった項目も含まれており、あなたは「先ほど説明した資料にありますように」と、何度も繰り返して返答をするが、相手の表情はパッとしない。 結局、時間切れを迎え、あなたは最も偉い上司から「今日は、色々意見が出たから、それを踏まえて資料を分かりやすく数枚にまとめ直してくれ結論はその後にしよう」と言われて会議は終わった。
あなたは心の中で戸惑う。資料をどうやってまとめ直していいかが分からない。会議中に出た質問に関係しそうな情報はもうすでに資料に入っている。心の中では、資料をちゃんと読まない相手が悪いと思っている。 これ以上は自分ではどうしようもないし、再度、部下や他部署に資料作成を依頼するのも億劫だ。言われたからには仕方がない、とりあえず部下に連絡をする。 「申し訳ないが、例の資料をまとめ直してくれないかな?」部下からは「いいですけど、どう作り直せばいいですか?」と返答があり、あなたは戸惑いながら答える。「うーん、ちょっと分かりにくいからさ、分かりやすくしておいて」 他部署は部下のようにはいかない。 下手に出ながらメールを送ってみたが、返答には「人手が足りていない状況なので、より具体的にどんな資料が欲しいか指示が欲しい」と書いてあった。あなたは、うまくメールが返せないまま困ってメールを打つ手を止める。 ● 「残念な資料」を 診断する3つのポイント 数日後に部下からは、前回の資料に加えて、関連しそうな情報の資料が複数枚送られてきた。資料の枚数はさらに増えていく。果たして、この資料をそのまま使えばいいのか、あなたは判断に迷う。数枚にまとめろと言われて枚数を増やしても読んでくれない気がするが、他に方法も思いつかない。また、同じような会議が繰り返されるのかと思うと、気が重くなる一方だ。