42歳で年収は「450万円」です。日本の平均年収は稼げていると思うのですが、年齢的には“低い”でしょうか…?
会社で働き出して20年ぐらい経過すると、徐々に会社での立場も変わり、年収が上がっていく人も多くなります。そんなときにふと、自分の年収は他の人と比べて高いのか低いのか、気になる人もいるのではないでしょうか。 本記事では、日本の給与所得者の平均年収を解説します。平均値だけでなく、中央値の重要性なども織り交ぜながら解説しますので、参考にしてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
日本人の平均年収はどれくらい?
給与所得者約5000万人の平均年収については、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」(以下、国税庁調査)で確かめられます。令和4年中に支払われた給与額から年収を考えると、給与所得者の年収平均は458万円となっており、男女別にみると男性は563万円、女性は314万円です。 他にも転職・求人サイト大手「doda」では、2022年9月から翌年8月の期間に「doda」に登録した約63万人の平均年収を公表しており、その結果では約414万円となっています。これらの調査から、もし年収が450万円であれば、ほぼ日本人の平均年収と同額か、それ以上と考えて差し支えないでしょう。 もう少し細かく年齢階層別に見れば、国税庁調査の40歳から44歳の平均年収は491万円、doda調査の40代の平均年収は511万円です。そのため、この数字だけを見れば、42歳で年収450万円の人は「自分の年収は、年齢を考えると少し安い」と感じるかもしれません。
実態をリアルに映すのは平均値ではなく中央値
では「450万円」という年収は、40代あるいは42歳という年齢を考えた場合、本当に低い年収なのでしょうか。実は年収の実態をつかむのであれば、平均値ではなく、中央値のほうが実態に近いとも考えられます。中央値とは、調査の数値を並べたときに、ちょうど真ん中に来る値のことです。 なぜ、中央値のほうがより実態に近いと考えられるのでしょうか。それは平均値においては、ボリュームの多くない高額の年収を得ている人が、平均値を押し上げている可能性があるからです。 国税庁調査での中央値はわかりませんが、例えば「doda」では調査結果の分布が示されており、年収のボリュームゾーンは300万円台で、全体の32%にも及びます。ちょうど真ん中の年収は約360万円で、平均値の414万円に比べ約87%と10%以上安くなっており、この数値がよりリアルな実態に近いとも考えられます。 さらに「doda」の調査を年代別に見てみると、40代の年収中央値は450万円です。国税庁調査の40歳から44歳の年収平均491万円を、「doda」と同じ比率で中央値に逆算すると、491万円×87%=427万円となります。 表にすると図表1のとおりですが、これらの結果から「42歳で450万円」の年収は、平均より少なくても、中央値で見ると、むしろ標準的な年収と考えて差し支えないでしょう。 図表1