佐藤隆太「あなただってずっと“善き人”でいられるわけじゃない」
オファーを受けるのに最後まで迷ったという舞台「『GOOD』-善き人-」は、ヒトラーの政権下、親友を裏切ってでも生き延びることを選んだ大学教授の物語。果たして人間の善悪の本質とは? 主人公を演じる佐藤隆太さんに伺いました。 PEOPLE NOW
今年、俳優歴25年を迎える佐藤隆太さん。映像、舞台など幅広い活躍で、ベテランとして存在感を増していますが、実際にお会いすると、そのトレードマークともいえる笑顔からは44歳という年齢を感じさせない瑞々しい爽やかささえ感じさせます。 そんな佐藤さんが、人間の善悪の本質を問う舞台「『GOOD』-善き人-」(世田谷パブリックシアターにて上演中)に主演します。オファーを受けるのを迷いに迷ったという難役に挑む佐藤さんに今回の舞台への意気込み、そして、アニバーサリーイヤーを迎えた現在の率直な思いを聞きました!
最初は僕がこの作品をしょって立つ姿が想像できなかった
── 今年で俳優生活25年、おめでとうございます。 佐藤隆太さん(以下、佐藤) ありがとうございます(笑)。あっとういう間でした。僕は不器用なタイプでして、目の前のことにがむしゃらに取り組み、本当に少しずつ少しずつ前進してきたという感じですが、だからこそ、続けて来られたのかなとも思っています。 ── その記念すべき年に、舞台「『GOOD』-善き人-」に主演されます。1930年代のドイツを舞台に、過去に書いた論文がヒトラーに気に入られ、自身の意図とは関係なくナチスに取り込まれてしまう大学教授、ジョン・ハルダーの物語です。自身が生き残るためにユダヤ人の親友を裏切り、変わっていくなど、人間の善悪を問うとても重いテーマの作品ですが、オファーを受けられた時はどう思いましたか? 佐藤 こういった役のオファーをいただけるなんて、自分でも驚きました。戯曲を読んで、自分は本当にジョン・ハルダーという役を演じきることができるのかとしばらく悩み、お返事させていただくまでに1カ月ほどかかりました。ここまで時間がかかったのは初めてだったかもしれません。