大谷翔平復帰が5月から4月に早まる可能性を早くも米紙示唆
右肘の靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けたエンゼルスの大谷翔平(24)が米国アリゾナのキャンプで復帰へ向けたリハビリを続けているが、5月とされていた復帰時期が早まる可能性が出てきた。ティー打撃の再開を取材したロサンゼルス・タイムズ紙が、「4月にスタメン復帰できる準備ができるかも」と報じたものだ。 昨年10月に手術を受けた大谷は、綿密に作られたリハビリメニューを消化しながら、2月8日にバットを持って素振りを開始。22日から固定型のティー打撃をほぼ全力のスイングで再開した。メジャーの公式サイトによると、22日は20スイング、23日に25スイングを行ったという。週明けには固定型のティー打撃をクリア、次の段階としてコーチが軽く下から投げるトスボールを打つ打撃練習へとステップアップする方向だ。 ロサンゼルス・タイムズ紙は、これらを取材した上で「この進展は、大谷の復帰に対する期待感を抑えながらキャンプに入ったエンゼルスにとっては歓迎できるものだろう」と報じた。
オースマス監督「計画になかったこと」
今季は打者専任の復帰となる大谷の復帰時期についてキャンプイン時にブラッド・オースマス監督は「ゆっくりとしたプロセスになっていくと思う。5月復帰を願っているが、もう少し時間がかかる可能性も」と、早くて5月という構想を明らかにしていた。 だが、早くも本格的なティー打撃再開のステップに進んだことを受けオースマス監督は、同紙に「これは計画にはなかったこと。すべてのグループが“大谷が次のステップに向かう準備ができた”と判断したときに彼は次へ向けて進むことになるだろう」とコメント。 医療スタッフも含めた全員の合意があることを条件にしながらも、回復が想定以上であり、予定が前倒しする可能性があることを明らかにした。 同紙は「大谷が次の4週間でリハビリプログラムを進められれば4月にエンゼルスのスタメンに再び加わる準備ができるかもしれない」と、5月復帰が4月に早まる可能性があることを示唆した。 大谷自身も、オースマス監督の5月復帰構想を聞かされ、「僕はもっと早くいくつもりでいく。できるメニューを1日1日しっかりこなしたい。その一歩一歩が復帰へつながる」と語っていた。 同紙は、さらにほとんどのメニューを報道陣非公開の室内で消化しているにもかかわらず、日本から多くの報道陣がかけつけて大谷をマークしている様子を紹介。 「彼は、ほとんどの時間グラウンドにいないが、日本の報道陣の動きを見ていれば、どこで何をしているかがわかる。隣接した駐車場を見晴らすテンピ・ディアブロ・スタジアムの右翼フィールドの角の手すりのそばに毎朝、20人あまりの記者が大谷を取材するために集まる。このグループは、外野の壁の反対側にある室内打撃ケージ、ウエイトルームへと短い距離を歩く大谷を確認し、そして建物から再び姿を現す彼を待っている。テレビカメラ3台が土曜日に打撃ケージに向かい戻る大谷の300フィート(約91メートル)の歩みを撮影し何人かのカメラマンが写真に収めていた」 またメジャーでは故障した選手がチームからの疎外感を覚えるケースが少なくなく、オースマス監督も「そうならないように」と大谷の様子を注意して見守っているそうだが、「土曜日にクラブハウスがメディアに開かれたとき、大谷はマイク・トラウトと密談しており、2人のスター選手はスマホを見ながらクスクスと笑っていた。その後に大谷はロッカーで別の訪問者を受け入れた。それはショートのアンドレルトン・シモンズで、さらに笑顔と笑い声が広がった。彼にはそういう心配はいらないようだ。シモンズも大谷の陽気さに驚いているくらいだった」と伝えた。 その上で「昨年の春は大谷はまったく新しい環境に戸惑っていたが、今年の大谷には気持ちの余裕が見える」と絶賛。「打撃を集中的にこなすことで、彼の攻撃面での数字は伸びるはず」と、今シーズン打者専任となる大谷についての期待感を記した。 驚異の回復力を見せる大谷の復帰時期は、今後も日米メディアの焦点となっていきそうだ。