日米で政権交代ならリスク大きいのはどっち 首脳会談で「フミオ」と「ジョー」お互いに腹の中では「次は違う相手かも…」
【ニュース裏表 平井文夫】 日米首脳会談が成功裏に終わったと思ったら、直後にイランがイスラエルをミサイル攻撃した。米国と英国、フランスの軍隊が一部を迎撃、または迎撃の支援を行ったという。 【アンケート結果】岸田首相にいつまで続けてほしいか 岸田文雄首相は米国議会で「われわれは、あなた方とともにいる」と演説した以上、極東で同様なことが起きたら、日本もできることをしなければならない。その覚悟を日本国民は持っているだろうか。 さて訪米前、日本では「11月の大統領選のわずか7カ月前という微妙な時期になぜ行くのか」「ドナルド・トランプ前大統領の復活もささやかれる中でなぜ」という指摘が多かった。 ジョー・バイデン大統領はまだ「死に体」ではないものの、少なくとも「二股」をかけた方がいい時期に、わざわざ一方と仲良くする必要があるのかということだった。自民党内にもそういう声はあった。 実は、米側も同様の不安を感じていた。 2月に日本の政府関係者が訪米し、ホワイトハウスや国務省の高官と会った際、会う人会う人から「キシダは大丈夫か」「4月の首脳会談のすぐ後に政権が倒れることはないのか」と質問攻めだったという。 つまり、「フミオ」「ジョー」と呼び合ってにこやかに会談した2人だが、腹の中では「次に会うときは違う人かもな…」と思っていたのかもしれない。では、どちらの国の方が政治リスクは大きいのか。 首脳会談後に行われた世論調査では、共同通信とANN(朝日ニュースネットワーク)いずれも内閣支持率が4~5ポイント上昇した。国民は岸田首相の外交成果を評価している。 このまま支持率が上がり続け、岸田首相が6月に解散するか、あるいは9月の自民党総裁選の勝者が解散するのか。政党支持率を見る限り、与党が議席を減らすことはあっても、今の野党への政権交代の可能性は低いだろう。 「ポスト岸田」として名前の挙がっている5~6人のうち、首相が誰に代わったとしても、日本の安全保障、経済、エネルギーなど根幹の政策が大きく変わることはない。だから、バイデン政権は日本の政局をあまり心配する必要はない。 問題は米国だ。バイデン氏が再選した場合、高齢を考えると、途中でカマラ・ハリス副大統領に代わる可能性がある。どちらにしても大統領の指導力は落ち、米国の国力は落ちるが、対日姿勢に変化はないだろう。