トランプ氏、プーチン氏との会談は急がず…「就任前に会うのは適切ではない」
【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ次期大統領は7日、フロリダ州の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で記者会見を開き、ロシアとウクライナの戦闘終結について「6か月はほしい」と語った。これまで大統領就任に伴う早期終結を主張してきたが、慎重姿勢に転じた。就任前にロシアのプーチン大統領と会談するのは不適切との考えも示した。
記者会見でトランプ氏は、ウクライナ侵略で「毎日、多くの若い兵士が殺されている」として停戦の必要性を訴えた。停戦交渉を巡り「とても複雑だ」とも語った。従来は「大統領就任から24時間以内に終わらせる」と発言し、容易に実現できるとの認識を示していた。
トランプ氏はかねてプーチン氏との直接交渉に意欲をみせており、この日も「プーチン氏は会談を望んでいるだろう」と指摘した。しかし、「(就任日の)20日よりも前に会うのは適切ではない」と述べ、急がない考えを示した。
停戦交渉を巡り、ウクライナ側はロシアの再侵略を防ぐための「安全の保証」として、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を求めている。トランプ氏は加盟に反対するロシアを交渉の席に着かせるため、早期加盟に否定的とされ、めどはたっていない。
NATOに関しては、加盟国の防衛費を国内総生産(GDP)比2%としている目標について、「5%にすべきだ」と大幅な引き上げを求めた。「彼らは我々を利用している」と不満を述べ、負担増を迫った。