山口茜が4度目の優勝飾ったジャパンオープン、パリ五輪出場組が奮闘した価値
ロス五輪目指す奈良岡、中西/岩永が初の4強入り
パリ五輪に出場した選手の中では、女子シングルスの山口が優勝したほか、男子シングルスの奈良岡功大(NTT東日本)が初の4強入りで存在感を示した。パリ五輪の決勝トーナメント1回戦で敗れた周天成(台湾)との再戦を乗り越えられずに準決勝で敗退したが、2028年のロサンゼルス五輪をターゲットとする23歳。再挑戦の第一歩を目撃したファンは、今後の歩みをより楽しめるようになったはずだ。パリ五輪出場選手では、まだロサンゼルス五輪への意欲を表明している選手が少ないが、女子ダブルスで初の4強入りを果たした中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)は、パリでは果たせなかった五輪出場を追い続けるペア。世界ランク2位のペク・ハナ/イ・ソヒ(韓国)に準決勝で敗れ、岩永は「自分たちより上の、壁が厚いなと思った。アタックもレシーブも全然足りなかったので、練習して頑張りたい」と悔しさを募らせたが、第1ゲームでは世界トップレベルのアタックをしのぐ場面も多く、収穫も得た。中西は「たくさんのお客さんが見に来てくれて、すごく嬉しかった。声を出して応援してくれる方もいて、楽しく試合ができた。また来年、強くなった姿を見せられるように頑張りたい」と巻き返しを誓った。
混合複「ワタガシ」がラストダンス、最後の大会はベスト8
大会前から注目されていた、パリ五輪の銅メダリストたちも、調整不足の中、プレッシャーも受ける立場を認識しながら、コートで奮闘した。特に、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)は、今大会でのペア解消を発表しており、最後の戦いに注目が集まった。1、2回戦は快勝で力を見せつけたが、準々決勝は、楊博軒/胡綾芳(台湾)の強烈なドライブで押し込まれ、主導権を握れなかった。集大成の場として臨んだパリ五輪を終え、心身ともにピークアウトした状態での戦いは難しかったが、やり抜いた。富岡第一中学校での海外遠征で初めてペアを組んでから13年。互いへのメッセージを取材エリアで求められると、東野は「もう(同じ質問が)3回目ぐらい」と苦笑いを浮かべたが「13年間も組んできているペアは、ないと思う。ここまでやってこれたのは、本当に勇大君のおかげだと思っているので、感謝の気持ちしかない」と話した。渡辺も「ありがとう、しかない。ここまで長くやってこれたのは、僕らだから。一瞬の喜び、一瞬の優勝のためにここまで支え合いながらできたのは、2人だから」とパートナーに感謝を伝えた。
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