「毎日忘れられんかった」震度7からの復興 信じ続ける“町おこし女子”
北陸放送
能登半島地震で震度7を観測した石川県輪島市門前町。 2007年に起きた地震の完全復興から3年。住民たちは一からのやり直しに戸惑いながらも、少しずつ前を向き始めています。 【写真を見る】「毎日忘れられんかった」震度7からの復興 信じ続ける“町おこし女子” ■江戸時代から続く街並み 門前町“黒島地区”の今 能登半島の西部に位置し、元日の地震で震度7を観測した輪島市門前町。 かつて北前船の寄港地として栄え、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている黒島地区。 海岸線は隆起し、海底が見えてしまっています。 黒光りする重厚な瓦屋根をのぞむ高台からの景色は変わり果てた風景になっていました。 江戸時代から続く伝統ある街並みは、一瞬にして崩れ去りました。 ■門前町のシンボル・総持寺祖院の今 門前町のシンボル・総持寺祖院。 正面の山門から続く回廊は連なるように倒壊し、境内にあるお堂は、ほとんどが傾いています。 総持寺祖院の髙島弘成副監院は、当時の心境について「最初見た時の絶望感は完全復興してまだ3年経ってないのにという思いが最初に出る。どうせ建ててもな…ってでもお寺としては残していかないといけないしという、そういう葛藤はすごくあった」と話しました。 ■2007年能登半島地震から17年 総持寺を支えた“全国の仲間” 2007年の能登半島地震でも特に大きな被害を受けた総持寺祖院でしたが、全国およそ1万5000の曹洞宗の寺院などから40億円もの寄付が集まり、14年かけて復旧工事を行いました。 2021年に「完全復興」を宣言してから3年を待たずに起きた今回の地震。 髙島さんには今回被災したほかの寺院への思いがありました。 「完全復興に向かう道筋の中で力をいただいたみなさんがもっと大変な状況に置かれている。この總持寺祖院という存在も一緒にそこに寄り添っていって、一緒に歩んでいかなきゃいけないなと思うようになった。總持寺だけの問題じゃない」( 総持寺祖院・髙島弘成副監院) ■「総持寺だけの問題じゃない」髙島副監院が起こした行動は… 「他の寺院と復興への足並みを揃えたい」 この思いで、髙島さんは全国の曹洞宗の仲間に呼びかけ、能登の被災した寺院への支援を呼びかけました。総持寺の被害を免れたお堂を拠点に、これまでにおよそ20人の僧侶が被災した寺院の片づけなどにあたっています。