貧打広島 4戦連続完封負けセ・ワーストタイ 自責の新井監督「気持ちは伝わってくる」野手陣の背中押す
「阪神1-0広島」(9日、甲子園球場) 広島が球団、セ・リーグワーストタイとなる4試合連続完封負けで、4連敗を喫した。村上の前に7回2安打に封じられるなど、これで36イニング連続無得点。貧打が続く状況にも新井貴浩監督(47)は「あしたこそは、と思って、またいい準備をしてもらいたい」と野手陣の背中を押した。甲子園では昨年からCSを含めて11連敗。チーム一丸で一日も早く負の連鎖を止める。 【写真】山崎育三郎が国歌独唱から早着替えで始球式に登板 スーツ→ユニホーム姿の超早業にビックリ わずか1点のビハインドが、点差以上に重く感じられた。あと一本が出ない。あと1点に届かない。球団ワーストタイの4試合連続完封負けはセ・リーグワーストに並ぶ窮状。それでも新井監督は、サバサバとした表情で切り出し「野手も何とか援護してあげたいと思っているんだけどね。なかなかうまく、かみ合わない。かみ合ってこない状況ですけどね。起用しているのは自分なので」と貧打にあえぐ敗戦を受け止めた。 重い扉をこじ開けようと、各打者が必死になった。初回先頭の野間は2球で追い込まれたが、ファウルで真骨頂の粘りを発揮。9球目を中堅方向に放った打球は中前に落ちるかと思われたが、近本の好守に阻まれた。二回は先頭の堂林が10球目で四球を選んだ。その後1死一、二塁と攻め立てたものの、坂倉が二ゴロ併殺。高まった得点への期待は一気にしぼんだ。 結果は凡打でも、指揮官はそこに至るまでの過程に目を向けた。「何とかしたい、何とかしようっていう野手の気持ちは伝わってくる」。五回は2死から坂倉が左翼線二塁打。この試合唯一の長打を放つも菊池が空振り三振に倒れた。村上には七回を終えて109球を投げさせたが、昨季のリーグMVP右腕の牙城を崩せない。懸命に食らい付く姿が、勝利につながらない現状がもどかしい。 球団では2011年5月28日・日本ハム戦から同6月1日・楽天戦以来の4試合連続完封負け。さらに敵地・甲子園では昨季のCSを含め5月20日から、引き分けを挟み11連敗と引き立て役に回り続けている。ゼロ行進を止めるだけでなく“鬼門・甲子園”というイメージも春先の段階で拭い去りたい。 それを現実に変えるには打線の奮起が不可欠。藤井ヘッドコーチは「勝つのが一番の薬になると思う。まず先制してこっちのペースにしたい」と勝利への道筋を描いた。 シャイナー、レイノルズの両助っ人が戦線を離れており、9試合を終えチーム本塁打はセ・リーグ最少の1本。長打力に乏しい現状だが、束になって昨季の日本一チームに挑んでいくしかない。「選手は『きょうこそ何とか点を取って勝ちたい』と思って球場に入ったと思う。あしたも同じ気持ちで入ってもらえたら」と新井監督。ナインの力を結集させて、潮目を変える1点を刻み込む。 ◆広島がリーグ&球団ワーストタイの4戦連続完封負け 広島がセ・リーグワーストタイ、球団では2011年5月28日・日本ハム戦(札幌ドーム)~同年6月1日・楽天戦(Kスタ宮城)以来、13年ぶり4度目の4試合連続完封負け。なお、NPBワーストは53年・大映の5試合連続。また、広島はこの日の阪神戦で36イニング連続無得点。こちらのリーグワーストも広島で11年に50イニング連続無得点を記録している。