ECB副総裁、高債務によるリスク警告-長期的な課題克服の妨げに
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス総裁は18日、高水準の政府債務が長期的な経済課題への対応を妨げ、低成長に甘んじる結果になりかねないと警告した。
フランクフルトで開催された「ユーロ・ファイナンス・ウィーク」で講演したデギンドス氏は、プライマリーバランス(PB)の赤字が膨らみ、債務負担が増加すると、気候変動対策や国防支出、デジタル化、生産性向上といった分野への支出余地が欠如する恐れがあると述べた。
同氏は「財政の遅れや財政再建の道筋を巡る疑問は、ソブリンリスクのさらる見直しを引き起こす可能性がある」と述べ、「また、現在の大幅なPB赤字は、不測の事態が発生した場合に政府が経済を支えることをより困難にする」と指摘した。
ECBは今週、半期に一度の金融安定報告を公表する。この報告では、欧州の企業にとって主要な資金調達源である銀行が直面するリスクが評価される。経済見通しに対する不透明感から、最近では投資が低迷。ドナルド・トランプ氏の米大統領再選も新たなリスク要因となっている。
「マクロリスクのバランスは、高インフレ懸念から経済成長懸念へと変化した」とデギンドス氏は述べた。
ECBは来月に年内最後の政策会合を控えており、4回目となる0.25ポイント利下げが広く見込まれている。その先の道筋についてECB当局者は追加利下げを示唆するものの、その規模やペースについては手掛かりを示していない。
原題:ECB’s Guindos Warns of Dangers Posed by High Government Debt
(抜粋)
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Mark Schroers, Jana Randow