なぜ砂浜に道路標識が? 日本で唯一、“あること”が許された石川県のビーチを探訪!
#312 Chirihama Nagisa Driveway千里浜なぎさドライブウェイ(石川県)
旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」のユーザーによるビーチランキングで、アジア部門や日本部門においてランクインしている石川県の「千里浜なぎさドライブウェイ」。 【画像】砂浜を車が走行できるのは何故? その秘密は... ここ数年は和歌山県の白良浜などもランクインしているけれど、それ以前は沖縄県以外のビーチがランキングに入ることは珍しく、気になっていました。なにやら日本で唯一、“車で砂浜を走れるビーチ”、とのこと。果たして、その魅力って? 金沢駅から車で約40分。途上の「のと里山海道」の海沿いの道も、かなりゴキゲンです。日本海に沿ってまっすぐにのびる道路を、横目で海を感じながらのドライブ。BGMに合わせて、鼻歌も混じります。この「のと里山海道」は、「日本の道100選」にも選定されているそうです。 今浜ICで下りて、看板に従って走ればすぐに見つかる「千里浜なぎさドライブウェイ」。今浜から千里浜にかけて日本海沿いに約8キロ続くビーチで、日本で唯一、普通車で走行できる砂浜の“観光道路”です。 ここではノーマルタイヤの走行OK。軽自動車はもちろん自転車も走行可能で、大型観光バスも走ったりします。反面、ビーチでもあるので、夏は海水浴客もいますし、海沿いを散歩しに訪れている人もいます。注意して走行することが大切です。 では、どうして「千里浜なぎさドライブウェイ」が普通車でも走行可能なのか? その秘密は砂にあります。0.2ミリメートルの小さい砂粒がムラなく広がり、水を含んで舗装道路のように締め固まった状態にあるのです。 ただし、波打ち際に近すぎるとぬかるんでいることがあり、陸側に離れすぎると砂が乾いているため、スタックしてしまうことも。ちょっと薄茶色に湿った部分を走るのがコツのようです。
観光バスの運転手の個人的な行動がきっかけ…?
走ってみました! 千里浜なぎさドライブウェイ、気持ちいい! 砂浜をランニングすることはあっても、車の速度で砂浜を走ることは初めての体験です。このスピード感! そして、この海の近さ。車の窓を全開にして、潮風や波音を感じながらのドライブ、なんて爽快!! そもそも千里浜なぎさドライブウェイのはじまりは、1955年頃。「広々とした波打ち際を走ってみたい」、そう思った観光バスの運転手が実際にためしてみて、あまりの気持ち良さに感動。仲間うちでこっそり走っていたのが、いつしか話題となって観光コースになったそう。1966年からは夏の海水浴シーズンになると、道路交通法が適用されるれっきとした“公道”になります。なんと、30キロメートル制限の道路標識も立ちます。 道路なので、基本的には通年、昼夜を問わず走行ができます。西に面しているので、水平線に太陽が沈む壮大なサンセットは感動的。また、夜明けの走行もこれがまた気持ちいいのだとか! ただ、天候や状況によっては、通行止めや規制になることもあります。たとえば西寄りの風が吹いたり、日本海で低気圧が発達したりすると、海が荒れ、波が走行エリアまで届くこともあるのです。訪れる際は通行規制情報(石川みち情報ネット)を確認すること。「規制なし」なら全面通行が可能です。