「泣きたい時は、辛抱しない」「この世に一人の自分を、自分が認めてあげる」折々に思い出したい、元気が出る瀬戸内寂聴さんのことば
愛に生き、仏の道を説き、執筆に人生をささげた瀬戸内寂聴さん。三回忌を迎えた今もなお、そのことばは、私たちの背中をしっかりと押してくれます。折々に思い出したいフレーズを集めました(撮影:本社写真部) 【写真】悪口は人に聞いてもらう。ただし、相手を選ぶこと * * * * * * * ◆「この世に一人の自分を、自分が認めてあげる」 「私なんか」と考えるのは、この世の中でたった一人の貴重な存在である自分に失礼でしょう。 自分で自分を認めてあげなければ、他人にも認めてもらえませんよ。 ◆「失敗するから、成長できる」 人間だもの、失敗しますよ。 でも、悔やんだり自信を失う必要はまったくありません。 失敗することで、栄養をもらい、成長するのです。 ◆「心がすっきりしていれば、病気は寄ってこない」 体は心次第。気持ちが暗いと、病気を招いてしまう。 健康でいるためには、心が何より大事です。 そして、自分のやらなくてはいけないことを毎日一所懸命にするのが、元気の秘訣。
◆「失ったものを嘆かず、今持っているものに目を向ける」 人間、悪いところや失ったもの、手に入らないものを数えだしたらきりがありません。 逆に、今持っているものに目を向けると、それが幸福につながるはず。 ◆「泣きたい時は、辛抱しない」 苦しい時は、好きなことを探して没頭するのもひとつの手です。 そして、泣きたい時にはワンワン派手に泣けばいい。少しは心が晴れます。 辛抱することはありません。 ◆「悪口は人に聞いてもらう。ただし、相手を選ぶこと」 人に聞いてもらえると気持ちが治まるから、誰かに話すといいですね。 話せる人がいなければ、日記に書く。 とにかく胸の内に溜め込まないことが大切です。 (撮影=本社写真部)
瀬戸内寂聴
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