公務員の薬剤師があると聞きました。年収や仕事内容は、民間企業の薬剤師とどう違うんですか?
国家資格をもつ「薬剤師」は、調剤薬局や病院・製薬会社など活躍の場は多岐にわたります。その中でも、公務員薬剤師の存在はあまり知られていません。 そこでこの記事では、公務員薬剤師の仕事内容や勤務先・年収などについてご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
公務員薬剤師とは
公務員薬剤師には、各省庁に所属する国家公務員と、都道府県や市区町村の職員として働く地方公務員がいます。 公務員薬剤師は、一般的な薬剤師同様に、処方せんに沿って薬剤の調剤や服薬指導を行う以外にも、さまざまな分野で活躍しています。国家公務員の職場は、厚生労働省や内閣官房・総務省・外務省・文部科学省・環境省・防衛省などです。地方公務員の勤務先は、都道府県や市区町村営の病院・保健所・生活環境課・廃棄物課・経済産業部やさまざまな研究機関などです。 公務員薬剤師になるには、薬剤師国家試験に合格後、それぞれの省庁や地方公共団体の実施する採用試験を受け、合格する必要があります。それぞれの省庁・自治体によって試験内容が異なるため、入念に対策する必要があります。
公務員薬剤師の仕事内容
公務員薬剤師の仕事は、勤務先によってさまざまです。ここでは、その中から、国家公務員・地方公務員の薬剤師の仕事をそれぞれ3つずつご紹介します。 ■国家公務員の薬剤師の仕事内容 厚生労働省の化学物質安全対策室は、化学物質を適切に管理するための部署です。薬も化学物質の1つであり、薬剤師が活躍しています。業務内容としては、新規化学物質の審査や毒劇物の流通管理などです。 防衛省では防衛大学校の医務室での調剤業務や薬品・衛生機材の調達・管理などを行います。防衛省では、自衛隊の中でも薬剤師が活躍しています。 環境省の水・大気環境局も薬剤師の勤務先の1つです。農薬が及ぼす環境への影響や毒性の強さの調査、環境中の農薬基準値の設定などを行っています。 ■地方公務員薬剤師の仕事内容 地方公務員の薬剤師の仕事も、防災や生活環境・産業・研究開発支援など多岐にわたります。 保健所に勤務すると、勤務する課にもよりますが、医薬品などの製造施設や薬局の監視指導、輸血用血液確保のための献血推進業務などを行います。 廃棄物関連の部署では、事業者や処理業者に対し、廃棄物の減量や再生利用の推進といった指導も重要な業務です。不法投棄対策に携わることもあるでしょう。 各種研究所に勤務した場合は環境関連の調査や創薬探索研究なども行います。多くの仕事は、薬剤師だけでなくさまざまなプロフェッショナルと協力して進めていくようになるでしょう。