京急の小説コンテストが結果発表 車内ウエディングやタイムスリップ物も
京浜急行電鉄は8月、総合ニュースサイト「マイナビニュース」と小説投稿サイト「エブリスタ」との共同で実施した「京急グループ小説コンテスト」の結果を発表した。 同コンテストでは、「未来へ広げる、この沿線の物語」をテーマに、京急沿線やグループ施設を舞台とした小説を募集。2016年3月~5月までの期間に約400作品の応募が集まった。審査員は、主催三社のほか、女優のミムラさん、映画監督の紀里谷和明さんが務めた。 大賞に選ばれたのは、森晶さんによる『トレインリウム』。家族とのすれ違いを感じている主人公が、ふと電車の中吊りで見たスタンプラリーに妻を誘い、初めて梅屋敷駅に降り立つ。ミムラさんは「スタンプラリーに沿って挟まれる雑学系も面白く、サービス精神を感じました。着地点も現実的な幸せ感があり、素敵です。」とコメント。紀里谷監督は「忘れがちな幸せが表現されていて、とても素敵な作品」と評した。 準大賞は、横須賀中央駅から同じ着席保証列車「モーニング・ウィング号」で都内へ通勤していたことがきっかけで出会った二人が、貸し切り列車の車内で結婚式を挙げるZooさんの『ブライダル・ウィング号』。京急では現在貸し切り列車でのブライダルサービスは行っていないが、同社広報課の尹鍾妊さんによると、「電車の中で挙式、観音崎京急ホテルでの披露宴」というパターンは、偶然にも過去に検討され、実験台として社員が実際に体験したことがあるという。 そのほか入賞は『アカルイミライ』(北沢あたるさん)、『あの花の下車駅』(桜未都さん)、『マホウノキ』(星乃さゆさん)の3作品。佳作には8作品が選ばれた。 尹さんは「駅や電車内での出会いはもちろん、作品の舞台として、沿線施設の葉山マリーナ、油壺マリンパーク、京急百貨店などが紹介されたり、三浦の海や羽田空港などが取り上げられていたりと、さまざまな場所での心温まる作品が数多く集まりました。ご応募いただいた作品には、京急沿線の季節感が絶妙に描かれており、赤い電車と景色がところどころに絡み合っているシーンも多く、沿線の美しさを感じることができると思います」と話している。 受賞作品は、エブリスタで読むことができるほか、マイナビニュースにも順次連載中。京急グループの発行物などにも掲載を予定している。 (齊藤真菜)