オペラ演出家のオットー・シェンクさん死去 世界各地の歌劇場で名作
オーストリアの俳優・演出家で、米メトロポリタン歌劇場やウィーン国立歌劇場などで数多くの名演出を手がけたオットー・シェンクさんが9日、死去した。94歳だった。ウィーン国立歌劇場が同日発表した。 ウィーンで喜劇俳優としてキャリアをスタートし、1950年代から舞台演出を手がけた。57年にザルツブルクでモーツァルトの「魔笛」を演出し、オペラ演出家の道へ。イタリアのミラノ・スカラ座、ベルリン国立歌劇場など、世界中の名オペラハウスで仕事をした。 作品の文学性と伝統に忠実な作風で知られ、ウィーン国立歌劇場でのリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」、ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」、米メトロポリタン歌劇場でのワーグナー「ニーベルングの指環」4部作など、決定版と言われる数々の演出を残した。自身も俳優としてオペラや映画に出演した。
朝日新聞社