90歳!話題の「きくち体操」創始者はなぜこんなに若々しい?毎日続ける6つの習慣を大公開
90歳!きくち体操創始者・菊池和子さんに聞く
「ハルメク」の人気連載「きくち体操」の創始者・菊池和子さんは、2024年3月に90歳になりました。元気の秘訣は「体を動かすときに、意識を使うこと」なのだそう。具体的にはどんなことを習慣にしているのでしょう。菊池さんに聞きました。
菊池和子さんのプロフィール
きくち・かずこ 1934(昭和9)年生まれ。日本女子体育短期大学卒業。体育教師を経て「きくち体操」を創始し、以来50年以上、毎日の授業、ラジオ、テレビ、講演などを通して指導にあたる。神奈川・東京に直営教室を持つ。『「意識」と「動き」で若く、美しく! きくち体操』『立ち方を変えるだけで「老いない体」DVD付き』(ともにハルメク刊)など著書多数。
「最後まで歩ける体」って?
こう見えて、私だって、毎日必死なんですよ(笑) 何歳になっても、川崎の教室まで電車で通いたいし、近所のスーパーで重い荷物を買って帰れる体でいたい。そうして日常生活をつつがなく送れることが「最後まで歩ける体」というものでしょう? ただ「歩けること」が目的だったり、ただ「歩ける体」ではダメなんです。 きくち体操を始めて10年くらいの頃、知り合いの方がお姑さんに困っていました。認知症だったのですが、足腰は丈夫なのでどこまでも散歩に出てしまうわけです。 私はその話が忘れられなくて。脳こそが大事なんだってつくづく思いました。 人間の体は、動かさないところからダメになっていきます。それはみなさんもご経験でわかっていらっしゃるんじゃないかしら。 動かさなければ、筋肉は衰えますし、血管も弱り血液が流れにくくなります。新鮮な酸素や栄養が細胞に行き渡らなくなるので、内臓も弱っていく。脳も同じだと思うんです。使わなければ衰える。 だから私は、これまでずっと脳で意識して体を動かすようにしてきました。脳で意識して動かせば、体は何倍もよく動いてくれますし、脳もその刺激を受けて何倍も活性化することを実感しています。
大事なのは「十分に体を使えた」という実感
脳で意識して動かすとは、今、使っているところを感じ取りながら動かす、ということです。歩くなら、足の裏が地面をどうとらえているのか、ひざや股関節がどう動いているのか、脳で感じ取りながら歩く。それができれば、2000歩でも十分かもしれません。 世間一般の目安が何歩であろうと、自分で自分の体を感じ取って判断すること。大切にしてほしいのは、歩数や歩く時間ではなく、今日は十分に体を使えたという実感です。 あなたの体のことはあなたにしかわからないんですから、その大事な感覚をいつまでも持ち続けられる脳と体でいてほしいのです。