リヤカーで地球2周の吉田正仁さん GWは地元・山陰をリヤカー旅「多くの人と出会いたい」
「リヤカーをひきながら多くの人と出会うことが楽しみです」──。荷物をリヤカーに載せて世界を旅してきた鳥取市出身の冒険家、吉田正仁さん(38)が、28日からリヤカーをひいて鳥取市から島根県松江市までをリヤカーで巡る旅を行っている。これまでユーラシア大陸やアフリカ大陸をリヤカーをひきながら横断するなど、地球約2周分の距離を歩いてきた吉田さん。今回はそれらの旅で使用したリヤカーをひいて歩くため「地元で多くの人とふれあいたい」と意気込みをみせている。
旅のきっかけは「一つのことをやり遂げたい」という思いから
吉田さんは2009年1月に大阪・南港から中国・上海へわたり「ユーラシア大陸を横断したい」という夢を叶えようとリヤカーを組み立て出発。1年9か月後にユーラシア大陸最西端のポルトガル・ロカ岬まで歩いた。後に北米大陸を横断後、2012年6月までにはオーストラリア大陸を縦断し、2013年8月に上海に戻った。 「旅に出るきっかけは、一つのことをやり遂げたいという思いからでした」と吉田さん。それまでの人生を振り返ると、何もかもが中途半端で「自分の人生って何だろう」と考え、旅に出る決意を固めた。約2年かけ400万円を貯金し、週末にはトレーニングを重ね、1日で40キロを歩けるようにはなった。
旅でうれしかったのは「人との出会い」
旅の際にはリヤカーにテント、寝袋、雨具、冬服、パンク修理道具、調理用ストーブ、鍋類、パソコン、カメラなどを積んだ。 場所によっては300キロ以上の距離で、水などを補給できない区間もあるため、30キロほどの食料や多くの水を積んで、リヤカーをひいたこともあった。 辛いことも多かったが「人との出会い」がいちばんうれしかったという。「何かとせわしい日本では実感が湧きませんが、今こうしている間にも世界中で同じ時間が流れています」と語る吉田さん。 カザフスタンの草原で暮らす遊牧民や、アフリカで独自の文化を守りながら暮らす民族とのふれあい。またサバンナを歩くゾウや北米で暮らすクマなど、出会った人や景色を思い浮かべることができるのは、大きな旅の成果となった。