朝日新聞福島総局長の捏造疑惑炎上ではっきりした「不安な空気」を創っては拡散する「風評加害者」の正体
誰が「不安な空気」を作ってきたのか
この記事を書いた朝日新聞大月規義福島総局長は、実は2021年にも処理土の再利用に関する記事を書いていた。 ・『除染には3兆円もかかり、やっと中間貯蔵施設で集中管理できるようになった。それをなぜ外に広げるのか? 』 ・『安全だとしても身近な道路や堤防などに使われると、その地域が「風評被害」にさらされる恐れがある。』 ・『環境省は再生利用する土砂を安全と説明するが、原子炉規制法で決められた再利用の基準(1キロ当たり100ベクレル以下)を用いているのではなく、福島の事故で特別につくられた緩い基準(同8千ベクレル以下)を当てはめている』 などの主張が書かれた記事内容からは、『「風評加害者」って誰? 汚染土利用に漂う不安な空気』という記事タイトルも含め、処理土再利用を阻害しようとする強い意図が伝わってくる。今回の記事は、こうした記者の主張を代弁・正当化し共感を広めるために当事者が利用されたケースではないのか。 大月総局長が書いた「それをなぜ外に広げるのか?」は前述した法的根拠に基づいているに過ぎないし、「風評被害にさらされる恐れ」の原因は、まさに「汚染土利用に漂う不安な空気」などと報じてきたマスメディア自身にある。 現にこの記事がSNS(X)で公開された2021年には、「風評加害者って誰?」と問うタイトルに対し、「お前だ」「鏡を見ろ」などの多くの反応(返信が624件、引用コメントも含めたリポストが1532件)が殺到し大炎上していた。ところが朝日新聞はこれまで、それら批判を無視し続けている。 処理土の基準値(8000Bq/kg以下)についても、たとえ上限で見積もったところで作業者が年1000時間扱う想定で年間追加被曝線量が1mSv以下になるよう逆算して設定されている。実際に使われる土は基準値上限より遥かに低いものばかりである上に、追加で覆土処置まで行う。環境や健康への影響など起こり得るはずもない。 「不安な空気」を創り広めている「風評加害者」は、多くの人が指摘したように朝日新聞自身ではないのか。 著者は、これまで書いてきた疑問と問題点について質問書という形にまとめ、対応をSNSや記事、書籍や論文などで一般公開することを予め伝えた上で5月4日に朝日新聞に送った。後編記事『日本で一番「説明責任」を求め続ける朝日新聞から「回答期限4分前」に届いた「捏造疑惑記事への説明」の中身』では、具体的な質問内容と得られた対応について記していく。
林 智裕(フリーランスライター)