若者は、どうして表面的な部分で判断してしまうのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(5)
「今日も怒られた!」「あんな言い方しなくても良いのに…」「あの上司とはうまくいかない」。仕事をする中でこんなことを上司、先輩に思ったことはないでしょうか? 上司からの指導や注意で自分の心が傷つき、上司との関係が微妙になってしまう。こんな若者から職場での人間関係について相談されることも少なくなく、本コラムを書いている私自身も前述ように思ったことがあります。注意をしている上司の表情、言い方が受け入れられず自ら距離を置いてしまったことも…。正直やってられないなと思ったこともあります。 しかし、今では後悔しています。もっとその上司が言いたかったことに気付けば良かったと。
受け取る側に問題は?
上司の注意や指導は、中には自分のストレスの捌け口で部下に対して厳しく接する人もいるかもしれませんが、部下の成長を望んで厳しく指導する人もいます。まさしく私の上司は後者でした。もちろん指導を伝える側の上司に問題がある場合もありますが、受け取る側に問題があったりもします。それは、受け取る側が伝える側の表面的な部分だけを見ている可能性があるということです。
心の声を読む
こんな話があります。ある日、自分の子どもが2つのリンゴを手に持っていました。それを見た母親が子どもに1つ欲しいとお願いしました。すると子どもは持っていた2つのリンゴを両方とも一口ずつかじってしまったのです。それを見た母親は子どもが独り占めしようと両方のリンゴをかじったと思い悲しくなったが、表情には出さず、ただ子どもを見つめていました。子どもはリンゴの味を確かめている。すると子どもは1つのリンゴを母親に差し出したのです。「ママ、こっちのリンゴの方が甘かったよ」と言いながら。 人はつい相手の表面的な行動や言動に反応してしまいますが、大事なのはその行動や言動の裏にある真意であり、見逃さないようにしたいものです。相手が何を伝えたかったのか、何に気付いてほしかったのかと、相手の心の声を読むこともコミュニケーションにおいて必要なのです。