いつまでも残したいふるさとの景色「宇和島百景」写真に込める撮影者の思い
地域の伝統・家族への思い
「自分に男の子が産まれたら絶対、黒田の鯉のぼりをあげようと決めていました」 吉田町玉津地区。写真を撮影したのは、ミカン農家の河野雄哉さん(39)です。 河野さん: 「快斗これ(こいのぼり出して)。もうだいぶ、今年の風で、破れちゃって。直さないけんなと思いよる」
2男1女に恵まれた、河野さん。長男快斗くんの誕生を祝いこいのぼりを買いました。製造したのは、明治37年から続く市内の染物店です。 河野さん: 「宇和島で育って、こいのぼりと言えば黒田のこいのぼりやった。この地域だけでもかなり子どもも減っていて、現在、こいのぼりあげている家ってうちだけなんですけど。それを見た子どもたちが同じように、『河野さんとこのこいのぼりかっこよかったな。黒田ののぼり良かったな』みたいな気持ちを、どっかで繋いでいけたら。うちの子だけじゃなくて色んな子どもたちが、続けていけたらすごいいいなと思います」
家族の成長を見守る桜
「喧嘩するほど仲良しな2人は桜の下でテンションMAXでした!」 この写真を撮影した村山朱李さんです。愛用の一眼で3人の子どもの成長を記録しています。作品は、桜の名所で知られる丸山公園で撮りました。
村山さん: 「ちょうど桜がすごい咲いてて、きれいで。あの時は子ども2人で今3人です。写真って思い出に残るし、後から見返しても楽しいなって思うので、やっぱり撮って良かった。いい街だなと思ってもらえるような瞬間も残していきたい。四季折々色々撮りながら、大きくなるまでずっと撮り続けたいなと思います」
離れていても、心に浮かぶまち
海を背景にしたバス停。この写真が撮られたのは…宇和島市と旧吉田町を結ぶ知永峠です。国道56号沿いに、そのバス停はあります。 撮影したのは茨城県在住の会社員、牧野慎介さんです。牧野さんは、中学から高校、そして社会人となった一時期、実家のある宇和島市吉田町知永で暮らしていました。
牧野さん: 「車で通るたびに日々変わるきれいな風景が、いつ見てもきれいなので、いつか写真におさめたいなと。人が写っていな風景だけを撮影するつもりだったんですけど、偶然(自転車に乗った)あの方が通られて。(宇和島百景に選ばれて)非常に光栄。そこまで狙って撮った写真でもないので、大きく引き伸ばされて展示をされ、非常に嬉しい思いが正直なところです。昔から変わらない風景もたくさんありますし、今の形の宇和島市良いところがまた引き続き残っていけばいいなと思っています」 一見、どこにでもありそうな風景…その奥には、ふるさと宇和島の日常と暮らしが詰まっています。