トランプ新政権の外交原則は「新モンロー主義」中国の中南米進出を阻止する狙いか…国務長官に中国強硬派の“ラテンアメリカ通”マルコ・ルビオ氏
ラテンアメリカへの影響力を強める中国
時あたかもペルー中部の太平洋岸のチャンカイでは、中国資本主導で建設された巨大港湾の開港式が開かれ、リモートで出席した中国の習近平国家主席は「カイガン!(開港)」と宣言した。 これで米国の裏庭に中国との裏ルートができたも同然で、ラテンアメリカへの中国の影響力が浸透していることを世界に印象付けることになった。 習近平国家主席はペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議や、その後ブラジルで開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議に出席して各国首脳と会談し、その影響力を十分に行使していった。 2025年1月に新トランプ政権がスタートする時までに、中南米では経済的にも物理的にも中国の影響が広く及んでいると考えられる上に、トランプ政権は中南米各国との対決を招きかねないラテンアメリカの不法移民の大量強制送還を公約にしている。新「モンロー主義」の旗手を期待されているルビオ新国務長官だが、その任は決して容易ではなさそうだ。 【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】 【表紙デザイン:さいとうひさし】
木村太郎