巨人・阿部監督「チャンスをあげようと」育成19歳2人の「飛び級1軍」プラン明かす
巨人・阿部慎之助監督(45)が4日、ジャイアンツ球場の秋季練習で1軍に参加する園田純規投手(19)、千葉隆広投手(19)を新星候補に挙げた。ともに高卒1年目の育成選手で今季、2軍公式戦での登板経験もないが「来年のキャンプでチャンスをあげようと思っている」と来春、1軍でテスト起用するプランを明言。2軍監督時代から指導し、今季8勝を挙げ飛躍した井上温大投手(23)に続くニュー阿部チルドレン、ネクスト温大の台頭に期待した。 初々しく輝く原石に熱視線を送った。阿部監督は投手陣のキャッチボールで右腕・園田、左腕・千葉の力強い球をチェックした。ともに高卒1年目シーズンを終えた育成選手。「2人には(2月の)キャンプでチャンスをあげようと思っている。練習試合で(ファームから)呼んで投げさせてみようかなと」。ともに今季は3軍で実戦経験を積み、2軍イースタン・リーグ公式戦の登板はないが、伸びしろが大きい両投手を1軍で“飛び級テスト”する案を披露した。 園田は身長183センチで最速150キロの角度ある速球が武器。変化球も多彩で山崎伊織タイプだ。175センチの千葉もキレのある速球、スライダー、チェンジアップを操り、同じ左投手の井上温大の背中を追う。杉内投手チーフコーチは「園田はフィジカルを鍛えれば155~6キロ投げられる。球界を代表する投手になるかもしれない。千葉は器用に投げられる。楽しみ」と無限の可能性を感じている。 球団は金の卵をじっくり育てる方針で、来季もまずファームからスタートする可能性が高い。そんな中、G球場で午前が1軍、午後が2、3軍と分かれて行う若手主体の秋季練習で1軍に大抜てき。体験の意味もあるが「下からの推薦もあって」と阿部監督が未来を見据え、引き上げた。 4年ぶりにリーグ優勝した今季は、2軍監督時代から指導する井上が途中から先発に定着して8勝。プレミア12の侍ジャパンにも選出されて出世頭となった。来季の日本一へ「底上げしない限り強くならない」と若手強化を掲げる。有望株の園田、千葉は段階を踏ませる方針だが、2月のキャンプで1軍参加、実戦テストが実現すれば、近未来の支配下登録、ステップアップへ貴重な機会になる。 発掘と育成の秋。園田と千葉の成長曲線は計り知れない。ニュー阿部チルドレン、ネクスト温大の台頭は大歓迎。新戦力は何人いてもいい。(片岡 優帆) ◆園田 純規(そのだ・あつき)2005年7月7日、福岡・大野城市生まれ。19歳。小学3年から大野城ジュニアホークスで野球を始め、大利中では那珂川ベースボールクラブでプレー。福岡工大城東では1年秋からベンチ入りも甲子園は出場なし。23年育成ドラフト5位で巨人入団。趣味は釣り。背番号019。183センチ、72キロ。右投右打。 ◆千葉 隆広(ちば・たかひろ)2005年5月15日、北海道生まれ。19歳。2歳から野球を始め、旭川明成では1年春からベンチ入り。23年夏の北北海道大会では創部初の決勝進出を果たして準優勝。スキーのクロスカントリーでは、中学3年時に全国大会出場権を獲得(大会はコロナの影響で中止)。23年育成ドラフト6位で巨人入団。背番号016。175センチ、83キロ。左投左打。
報知新聞社