前ではなく横向きや後ろ向きで馬の背に 乗馬で癒しの効果も期待される「ホースセラピー」
馬に乗りながら、手を伸ばしたり、横座りしたり…、馬の背中で様々な姿勢をとる女性。これはスポーツではなく、「ホースセラピー」と呼ばれるリハビリの一種です。揺れる馬の背中で体幹やバランス感覚を養う効果が期待され、何より生きている馬との交流そのものが癒しにつながっています。ホースセラピーを受けている家族と、実施する牧場を取材しました。 【動画】身体・メンタル・社会性…様々な効果が期待できる「ホースセラピー」を受ける少女の様子がこちら【4分00秒~】 ■「子どもを馬に乗せたい」という要望から始まったホースセラピー 愛知県豊橋市の緑豊かな場所にある「ピッコロファーム」。長江清仁さん・久美子さん夫妻が経営するこの小さな牧場には、ヤギ3頭に犬が2匹、そして馬7頭が暮らしています。 ホースセラピーを始めたのは12年前。きっかけは脳性麻痺の双子を持つ保護者から寄せられた「子どもを馬に乗せたい」という要望でした。 (ピッコロファーム・長江清仁さん) 「馬を使って何かできないかなと思っていた。乗馬だけではなくて。(障害のある子どもの)親の願いというか、少しでも子どもにプラスなことはないかという願いがあって、それに引っ張られた」 サラブレッドやポニーなど乗馬体験用の様々な馬がいる中、ホースセラピーを担当するのは北海道原産の品種、道産子の「まるちゃん」です。 (ピッコロファーム・長江久美子さん) 「背中が広くて温厚で、おっとりしている馬。(Q背中が広いのは重要?)そうですね、横を向いたりとか寝かせてあげたりとかするので」 重い荷物を運ぶのに使われてきた道産子は、体高が低く、頑丈なのが特徴。性格は温厚で、ホースセラピーに適しています。 ■温厚な性格の道産子「まるちゃん」も入念に準備! ホースセラピーの利用予定が入っている日は、予約時間の約30分前から馬のまるちゃんの準備が始まります。 (ピッコロファーム・長江久美子さん) 「馬房はやはり狭い。馬の体をほぐしてあげて、馬の脚の歩様に問題がないのかチェックもするし、主人が馬をコントロールしているが、きちんと音声に反応するのか、安全に乗せられるかというチェックもしている。いきなり馬房から出して馬具を付けて、ポッと乗るということは絶対にしない」
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