V9時代のエース左腕・高橋一三 シーズンと日本シリーズで胴上げ投手8度は日本記録
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第32回は高橋一三。 * * * 高橋一三はV9時代のエース左腕だった。1946年6月9日、広島県出身。北川工から64年入団。1年目の65年4月に初登板をするが5月には2軍落ちした。真上から投げ下ろす速球と落差あるカーブで翌年から頭角を現すものの、制球に難があった。1ストライク3ボールが多く「名前通りの1―3」とも言われた。 69年、スクリューボールを武器にし、22勝5敗で最多勝、最高勝率、沢村賞、ベストナインを獲得。日本シリーズでも胴上げ投手となった。同年から5年連続で2ケタ勝利。73年も23勝を挙げ、2度目の沢村賞に輝いた。同年、勝った方が優勝というシーズン最終戦の阪神戦でも完封勝利を飾った。 シーズン4度、日本シリーズ4度、合わせて8度の胴上げ投手は日本記録で、1学年下の堀内恒夫とV9を支え、左のエースと称された。75年オフ、張本勲とのトレードで日本ハムに移籍。8年間で57勝を挙げ、83年に引退した。 84~89、95~96、2002~03年はコーチ、04~05年に2軍監督を歴任し、09年から約5年間は、山梨学院大監督を務めた。15年に死去。
報知新聞社