ソフトバンク松本裕樹の想像した成長曲線超えた「159」今季最も印象的な球は「価値がある一球」「どうでもいいような場面でないのも含めて…」
ソフトバンクの選手が、今シーズンを振り返る年末恒例のプレーバック企画「鷹戦士あのプレー」。今回はセットアッパー、さらに終盤には守護神としてフル回転した松本裕樹投手(28)です。印象的な1球に挙げたのは、8月11日の楽天戦(みずほペイペイドーム)でマークした自己最速を更新する159キロでした。 ■「あの小さかった真凜ちゃんが…」秋山幸二さん長女が花嫁姿【写真】 この日の出番は3点リードの9回無死一、二塁から。5―0の9回先頭から登板した津森が1死も奪えず回ってきたマウンドだった。そこで飛び出した159キロは「舞台的には整っている場面、一番しびれる場面で自分の一番いいパフォーマンスが発揮できた」という1球になった。 先頭を左飛、続く代打茂木栄五郎に右前へ飛ばされ満塁となるも2死までこぎ着け、浅村栄斗を迎えた。初球は外角低めスライダーで空振りを奪い、2球目は思いきり腕を振って同じコースに直球を投じた。球場表示には「159」の数字が踊った。 判定はボールだったが、松本裕は「自分の中でも価値がある一球だった」と振り返るのには二つ理由がある。「アウトローの自分が狙ったような所にいったので。変なボール(球)とかではなくて、ちゃんと狙いに行っていいところにいった球だった」。力んでボールと分かる球になるのではなく、しっかり制球した球でスピードも両立させられたことに価値があった。 その上で「何でもないような、どうでもいいような場面でもない、というのも含めて良かった」。一打逆転で迎えた強打者との対戦で最大限の力を出したことにも意味があると強調した。そして、その後、浅村を三ゴロに打ち取って試合を締めた。 ◆高みを目指す人を見てきて…次のページ 将来のエース候補としてドラフト1位でプロの世界へ飛び込んだ。プロ10年目にして守護神にも就くなど大きく成長した証ともなった。松本裕は「入団したときは、そこまで考えられてはなかったようなところまでは来られているかな、というふうには思います」もうなずく。ここまでの歩みには周囲のハイレベルな存在もあった。「身近に千賀(滉大、現メッツ)さんみたいな育成からメジャーまで上がって、というような人が周りにいたり。目の前で高みを目指してやっている人を見られたのでこれは本当に自分にとって貴重な時間だった」 右肩も徐々に癒えつつあり、来季は160キロの大台突破も視野に入れる。背番号66の成長は来季も止まらない。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社